亡くなった人に思いを寄せて。お葬式で見えた、とても綺麗な幻想 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

四年前に父、そして一年前に弟と叔母が亡くなりました。

父は癌。叔母は長い闘病の末、逝きました。

父の時は不思議な事に、父の入院中の病院に向かう間

晴れ渡る気持ち良い青空で、父も側に居る感じでした。

なので、病院で遺体を見ても、抜け殻にしか思えませんでした。

多分、癌で痛かったから。

体から抜けて爽快そのもの。

にこにこ笑って嬉しそうな気がしました。

だから母が、父が病院でたった一人、亡くなった事を

可哀想。と言うんですが、私はそうは思えません。

多分、抜け出した後体に戻る機会があったとしても。

苦しいからヤだなぁ…。

とそのまま、病のナイ霊体を楽しんだ気がします。

ですからお葬式は、こじんまりした身内だけでしたが

式が始まると…不思議と綺麗な花や天女や神々しい観音様が

見えたりします。

まるでお祝いのよう。

幻覚なんでしょうけど、ひたすら綺麗なんです。

透けて金や銀色、そして色とりどりの花が敷き詰められてる感じ。

どっちかと言うと、父はあまり宗教には熱心じゃ無かったのに。

ちゃんと生前人の為に頑張ってたから

そして病で苦しんだけど、最後まで頑張ったから。

そういうとこ、ちゃんと評価してくれてるみたいで。

あんまり綺麗な幻想が葬式の間に見えてたので

ずっと私は「良かったね。

お父さん、良かったね」

と心の中で思ってました。

父はにこにこ笑ってる気がしました。

その時、もう死んだ方が楽。

と言う位、弱った体から抜けて死んだ時。

嬉しいんだ。死は悲しくないんだ。

と分かりました。

その10年くらい前、愛犬を亡くしましたが

愛犬も病気で。

その時も危篤と聞いて、病院に駆けつけましたが…。

なんと透けた愛犬が助手席に座って、わんっ!

って吠えてるんです…。

病院で蘇生処置の真っ最中だったけど。

私の助手席で、久々にどこも痛くも苦しくもなくて

嬉しそうにわんわん吠えまくってる透けた姿を見てるので。

きっと体には、戻らないだろうと思いました。

私は泣きましたが。

愛犬は凄く嬉しそう。

父の時も、それに似ていました。

違いは、葬式。

かなりはっきりだけど幻覚なので。

説明しようが亡いんですけど、とにかく綺麗なんです。

天女のような観音様?菩薩様?

薔薇色や紫の衣装を着て、そんな神々しい仏様に囲まれ

父は光り溢れる天へと、登って行きました。

私は感激して

「ああ良かった」

と胸をなで下ろしたけど。

これがただの幻覚で実際は違ってたら、辛いな…。

そう思い、焼き場に向かう車に乗っていたら

透けた天井の上空、東西南北の空に

かなり大きな天女様が四人居て。

衣をなびかせ、話しかけて来ます。

「この後、少しおしめりがあります。

けれど直、消えます」

すると焼き場の途中、いきなり雨が…!

ワイパー回すほどの降りで。

けどまた焼き場にひた走ると、だんだん雲の間に晴れ間が…!

きっと天女様達は

「貴方の見てるのは幻覚じゃないですよ」

と教えてくれたんだと思います。

超感覚って言うか。

亡くなった父と、回路が通じてるせいか。

見えたんだと思います。

ともかく、良く綺麗な色とりどりの仏画。

あれがたくさん、しかも透けて金や銀に光って

見えるので半端無く綺麗です。

天空にも天女が舞い、花が散っています。

父は有名でもなく、地味な人で

人が良すぎて、詐欺にも簡単にひっかかっちゃうような

お人好しの田舎者で

いつも損ばかりしていました。

けど心が温かく、情のある人で。

だからお葬式はひっそりしていたけど

私が見えたのは素晴らしい光景でした。

とても美しい、幻想でした。

神仏は人間の評価と違い

ちゃんと分かってるんだな。

私はそう思いました。

弟の葬式は、友人が大勢来て

母が見栄張って、ランクの高い式場でした。

けれど雨で。

どう考えても、弟の為の葬式と言うよりは

弟の友人、知人達中心の葬式で。

しかも若くて癌で亡くなったので

父と違い、思い残す事がたくさんあったと思います。

父の時とは違い、暗く陰鬱。

だから必死に祈り続けました。

「神様仏様。

どうか少しでも高い境涯に、弟をお導き下さい」

それこそ、必死で。

甲斐あって、式の終わり頃、雨が止み

北に大きな仏様が見えました。

とても大きな仏様です。

けれど父の時と違い、天女も花もありません…。

焼き場に向かう途中から陽が差し込み

やっと弟が笑って、父や祖父と一緒に、天に昇って行き

振り向いて笑ってる姿が見えました。

私はやっとほっとして

「ああお父さんとお祖父さんが、迎えに来てくれたんだ」

と安心出来ました。

北の仏様に心から感謝しました。

叔母の葬式の時。

叔母は長く患っていて、いとこ達は

長い闘病生活の叔母に

手を焼いてる風でした。

けれど叔母とは、入院前一緒にお墓参りに行ったとき。

突然の激しい頭痛がして。

「え?これ私の痛み?!

だって頭痛なんて、あった試し無いのに。

もしかして他人の来てる?!

誰の?!」

って心の中で思ってたら、ふっ…と頭痛が止んで。

お参りすんだ後、お茶を頂いてたら叔母が

「今朝実は頭痛酷くて。薬飲んだけどまだ時々痛む」

と言い出すから

叔母さんの頭痛だったのか…。

と納得。

けど凄く痛くて、こんな痛いのに

お墓参りに来てるなんて…!

とびっくりしました。

こんな頭痛がひっきりなしにあるなんて

私には耐えられそうにありません…。

叔母さんは強い人で

ずっと病気がちで。

亡くなるまで、きっとたくさん痛くて

苦しかったんだろうと思いました。

それ考えると、本当に自然に頭が下がり

「ご苦労様でした。ゆっくり休んで下さい」

と思えました。

実は亡くなったと知らせが来たとき。

叔母さんが透けてやって来て

「息子達に伝えて」

と伝言を頼まれて。

それで必死に、葬式に出ました。

本当は、それ程いとこ達と話すつもり、無かったけど。

伝言頼まれたので、必死です。

それに父の葬式の後、来てくれたいとこに心の中で

「来てくれてありがとう」

と告げたら、頭に浮かび

「母の葬式の時、よろしく」

と言われ、うん絶対恩返しするね。と浮かんだ幻に言いました。

その頭に浮かんだいとこが、伝言伝えたら最初は

「え?!」

と言うので、ああ幻聴だったかな?

と恥ずかしかったんだけど。

けど後で「もしかして、この事言ってるのかも」

と事情を話してくれました。

葬式にも来てる親類の一人と

意地の張り合いで決裂したらしいんです。

けれど伝言伝えたら、その後葬式の時、来てる皆の前で

「意地を張ったことを謝って、和解しました」

と、亡くなった叔母さんに報告していました。

私は伝言が本物だと分かって、ほっとしました。

末っ子さんには、姿も見えない。声も聞こえないだろうけど。

こっちは見えてるから、話しかけて。

と伝言されました。

葬式後、透けた叔母さんに嬉しそうに

「時々、話しかけてくれるの」

と言われました。

私は伝えたいとこに、自分の経験から付け足しました。

「答えが欲しいとき。きっと貴方にだけ分かる

合図みたいなひらめきみたいな形で、返答が貰えるから」

…その後会ってないので、そういう返事が来たかは

不明ですが。

お葬式は神道系で、透けた銀色の川が流れているような

清浄な空気で。

父の時同様、ピンクや紫の花がそこら中に。

(お葬式の、飾ってある花じゃありません)

銀色の細身の神龍がたっくさん宙を舞い

天女もたくさん、宙を舞っていて

本当に、綺麗です。

父の仏教系は金色っぽかったけど。

神道系なので銀が中心。

あんまり綺麗で、ため息が出ました。

小説だって書いてるのに。

自分の表現力の無さに、涙。

絵だって描いてるけど、まさしく

「絵にも描けない美しさ」なんですよね~…。

焼き場では、いとこ達の幼い娘さん達が

やっぱ親しい人の骨なので。

不気味だとか怖いとか、思ってたみたいで。

けれど私は、叔母さんがどれだけの苦しみ乗り越えて

ここに至ったか。

想像出来て、自然とその抜け殻の焼いた後。

骨に向かってつい、深々と頭下げてしまいました。

その後かな~?

幼い娘さん達。

怖い物だとか、思わなかったみたい……。

苦しみと、戦い抜いた抜け殻だから

私には。

尊く思えたんですけどね。

だから、いとこ達も長い闘病で

看護にかなり疲れていて

泣かないと思ったけど、泣いてました。

私からしたら。

多分、どれだけ苦しくても息子達守る為

頑張ったんだと思う。

精神的に。

実は叔母が亡くなる少し前。

滅多に現れなかった祖母が見えて。

見えてもいつも暗い表情で俯き加減だったのに

その時はにこにこ笑って

先に自殺で亡くなった伯母と

殺された叔母を伴って、現れたんです。

…だから…もしかしたら、見えない禍々しい何かから

叔母さんどんだけ苦しくても、精神で必死に

子供達の事、護ってたのかも…。

そっちの事情は、私には分からないけれど。

もう大丈夫になったらしく。

祖母に迎えに来て貰って、叔母さんきっと

やっと安心出来て、旅立ったんだろうね………。

見えない何かから。

最後の最後まで痛みや苦しみと必死に闘いながら

息子達守る為に戦って、頑張り抜いたから…

あんなに綺麗で素晴らしい

お葬式だったんではないかと。

人には分からない。

子供達ですら、長く患って

看病疲れで

葬式でも涙も出ない。

そんな状態だったけど…。

ちゃんと神様には、分かってたんだね。

だって本当に、素晴らしく綺麗だった。

空に舞う、銀の神龍達の銀に光るくねる姿や

優雅な天女達。

そして花の敷き詰められた、銀の川…。

祭壇の四方に、神の騎士みたいな人が四人

祭壇を護ってて…。

神々しくって、凜々しかった。

それが見えたから。

私は焼き場で自然とお骨に

頭が下げられた。

心からの敬意と共に。

それが、看病疲れの子供さん達や孫達に

伝えられて良かった。

ただの、骨と皮の弱々しい手の焼ける老婆じゃなく。

敬意を払われるだけの立派な人生を生き抜いた人だって。

伝わって良かった。

なので、多分他の人には見えない

幻想が見えて、良かったです。

ええと…泣きながら書き出したので。

誤字は後で落ち着いたら直そう。