アースルーリンドの騎士『二年目』 60 屋外での補習 その2 8 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

嫌われ者だったラナーン。

でも無理無いよね。

辛すぎる毎日だから、人にどう思われてるか

考えてる間もなかったろうね…。




王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

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ギュンターが見ていると、テスアッソン班、二年の数名がモレッティらを、見張るように近くに付き、ラナーンに近づかせないように牽制していた。
寄って話しかける。
「テスアッソンが居なくて今日は俺が代わりだが…。
いつも、君らが奴らの見張り役なのか?」

三人の二年達は振り向き、一人の利発そうな栗毛の少年がギュンターに告げる。
「…初日テスアッソンに、ラナーンの世話と奴らの見張りと。
どちらか取れ。と言われたので…」
一人が背後から、ずい。と出る。
「あいつの世話なんか、絶対無理…!」
ギュンターが気づき、見ると彼は吐き捨てるように告げる。
「…気づいたら頭来て、殴ってるかも!」
他の二人も頷いてるので、ギュンターはそっと聞いた。
「…ラナーンが、嫌いか?」
「顔が可愛くても滅茶苦茶高慢だし。
口開くと頭に来る事しか、言わない…!」
「俺達の筆頭だったのはヤッケルの筈なのに…あいつ、良く世話なんて出来るよな!」
「俺らより一番、ラナーンの高飛車に腹立ててたのにな!」

その、背後からぼそり…。と声。
「ラナーンは俺達ですら、手を焼いていた」

皆が振り返るといつの間にか、モレッティが喋ってた。
がモレッティ取り巻くグーデン配下の男らも、頷く。
「全くだ!
お前らだけで無く、俺達も見下されてたんだぜ!」
見張り役の一人も会話に乗っかる。
「どうせ、グーデンしか手が出せないからお前ら、下僕扱いだったんだろう?」
「そうだ!
顔が綺麗なだけの癖に…!」
その言葉に、見張り役の一人も追随する。
「この俺に、『石ころ!』呼ばわりだぜ?!」
グーデン配下の男も頷きながら同意する。
「俺なんか、そこの本取れ。とさ!」
「俺も言われたぜ。
『そこの石ころ!その布取ってこっちに持って来い!』
…ふざけやがって!!!」

ギュンターは見張りとモレッティ一味が揃って、ラナーンの悪口吐き捨てるのを、呆れて見た。
どうやら見張り達は、腕っぷしは強いが、身分は低い様子だった。


つづく。