アースルーリンド 『過去の幻影の大戦』 26 切り札 10 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ついに副長ローレスが、闇の魔獣中ヴォイヴォカンに決着付ける!

が、ムストレスは?

そしてディスバロッサの腹づもりは?!





王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
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 ローレスが振り向く。
背後からまだ数匹の小さなヴォイヴォカンが飛び来る。

が、視線前に戻し、皆護る神聖騎士らの張った結界前の、両腕振り回す身を削られた…それでもまだ巨大なヴォイヴォカン睨め付け、一気に両手横に、振り上げる。

「!」
「引け!」
「副長が、あれをやるぞ!」

場の神聖神殿隊騎士達が続々、空に消え去る。

巨大なヴォイヴォカンは宙浮くローレスの攻撃態勢に敵と睨め付け、突進し襲い来る。

その長く巨大な腕がぶん!と空を唸らせローレスに振り下ろされた瞬間、真っ青な光が宙を覆い尽くす。

背後。
飛び来るヴォイヴォカンに、ローレスは振り向きもせず背から冷気を一気に放却する。

どんっ!

冷気の塊が飛び来る数体のヴォイヴォカンに激突した時、“気”の激しくぶつかり来る音と共に、宙で静止したヴォイヴォカンが凍り始める。

ぴきぴきぴきっ…!
同時に呪い呻く、獣の声が空を震わせ轟く。

ヴヌォォォォォォォォォォォォォォンンン……………。

が、戦場の動きは凍り付いたように全てが静止。

ぱっ!と一人の神聖神殿隊騎士が空から現れ出で、次々に空より飛来し、凍った巨大なヴォイヴォカンを砕き始め、結界を護っていたホールーンが、がっくり…と首垂れて膝を付き、アーチェラスも髪に顔埋め、肩で荒い息吐く。

ぴ…きっ!
どんっ!
どん!どっんっ!

全て凍った小さなヴォイヴォカンが、宙から落ちて崩れ散る。

凍り付いた巨大なヴォイヴォカンは無数に現れ出でる神聖神殿隊騎士らに、次々砕かれその身は小さく崩れ行く…。




ディスバロッサは『闇の第二』が、遺恨使い疲労が限界の、ムストレスの中で呪いの呻き吐くのを聞いていた。

頭の中で叫ぶ。
「城門を開けよ!
全騎、出撃!!!」

その上空で響き渡る、声に応えるように、レアル城門では門の端。
城門持ち上げる滑車に数人が寄り来ては巨大なハンドル回し上げ、鎖が巻き上げられる毎、巨大な木の城門は、上がり行く。

騎士達は騎乗したまま、門が潜れる程に上がった途端、一斉に戦場に解き放たれて行く。

メーダフォーテはその声に、動揺し顔、揺らす。
ディスバロッサが叫ぶとは…!

慌てて頭の中で問い正す。
“ムストレスは?
遺恨使い果たせば、死ぬんだぞ!”

が、返って来たディスバロッサの返答は嗤い交じり。
“これはこれは…人の命等屑同然のお前が、ムストレスの命だけは大事と?
大層な忠義心だな?
そんな情愛等、無いがお前と!
我は思っていたがな…!”

メーダフォーテは歯噛みして拳振り下ろす。
“…ムストレスが死ねば皆ここに留まり死ぬ!
君も含め、私もだ!!!”

ようやく、ディスバロッサは顔、上げる。
“やはり…自分の命が一番可愛いか…”
“当然だ!
『闇の第二』は?!
ムストレスを殺さず引き離せるのか?!”


つづく。




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