アースルーリンドの騎士『二年目』43 学年無差別剣の練習試合、表彰式 30 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ギュンター、頑張ったものの

自分の体の痛みより、ローランデの栄誉にケチつけちゃって

傷付けちゃった心の痛みの方が、勝ってるらしいですが

ダメージは深刻です…。

でもさりげなく気遣う辺り。

流石、オーガスタスとローフィス。

絵描きたいけど、今日熱中症で倒れてたので

無理…。くっすん。


「アースルーリンドの騎士」
「アースルーリンドの騎士」
「アースルーリンドの騎士」


王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

恋の矢「二年目」を最初から読む恋の矢
宝石ブルー『幼い頃』を最初から読む


 皆が口々に試合と表彰式の興奮で喚き立てるさ中、ギュンターは廊下に出ると、別の出口から姿見せる、オーガスタスが自分見てるのに気づく。

つい、右腕きつく握り止め、痛みに歯、食い縛ってるとふわり…と背に気配。

オーガスタスが背に手当て、屈み囁く。
「無茶したな…!」
ギュンターは、ぎっ!と目剥く。

途端、オーガスタスは朗らかに笑い
「手負いの豹が、俺に迄牙剥くか?」
ギュンターは悔し紛れに早口で囁く。
「痛んで睨むのが精一杯の俺を、からかうな!」

「こんな機会しか、からかえない」
その声に顔上げると、ローフィスが正面塞ぎ、四年二人は覆い被さって話しかけてくる。

が、ギュンターはその二人が、自分の無様な体たらくを、皆から隠すようにして寄り添うのを感じた。


 結局ギュンターは二人に伴われ、四年宿舎のローフィスの部屋に通される。
机の上が乱雑に散らかる羊皮紙だらけで、寝台に腰掛けるよう目で促され、ギュンターはそっ…とかけるものの、腰降ろす時、右腿に鋭い痛みが走った。

「牙剥かない豹だから、手負いになるんだ…!」
言ってローフィスはチェスト開け、ごそごそと中を探り、オーガスタスは寝台横で腕組んで、親友の言いぐさに異論唱えた。

「これ以上傷つけるな。
十分、痛め付けられてるんだ」

ローフィスは薬瓶を取って戻り、ギュンターにシャツを、脱げ。と目で示す。

衣服取り退けたその肩は、腫れて赤味帯びて見えた。
ローフィスは吐息吐き、瓶の中身を布に浸し、腫れた肩と腕に擦りつける。

すぅっとした清涼感と共に、痛みが遠退く。
ギュンターは思わず、薬擦りつけるローフィスを、見た。

ローフィスはギュンターの患部見ながら、横で腕組む悪友に文句垂れる。

「本気で牙剥いてたら!
こんな薬は不要だ!
こいつならな!」

オーガスタスは横で笑って、ギュンターに告げる。
「口は悪いが、これでもお前を褒めてる」

ギュンターがローフィスに視線戻すと、ローフィスは頷いていた。
「下も、脱げ。
腿に迄来てるんだろう?」

言われ、ギュンターはやれやれ。
とバックル外し、ズボンを引き下げる。

右腿もやはり、赤味帯び腫れていた。
ローフィスはそこにもやはり、布浸した薬塗りつける。




つづく。




$「アースルーリンドの騎士」


$「アースルーリンドの騎士」