アースルーリンドの騎士『二年目』 31 ローフィスの苦悩 1 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

さて。

マレー、そしてアスラン。

でも実は一番酷い目にあってきた、ハウリィはどうでしょうか?

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王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)



 アスランは、ディングレーに伴われてギュンターの部屋へ行って以来、微笑を見せるように成った。

守られて居る事。
そして、不幸な出来事を受け止め、慰めてくれる相手が居る事…。

アスランは時々、ギュンターの部屋で過ごす。
夜を過ごす事は滅多に無かったけど、授業の後等に。

マレーはもともと、あまり心を開いて話すタイプじゃなかったし、ディングレーが相手をしてくれる限り、ディングレーにべったりだった。

だから…ハウリィは時折、一人きりに成る。
そんな時…呪いのように、忌むべき体験の筈の…あの行為を、刺激を…必要とする自分と向き合わなくてはならない。

決まって、ハウリィは自分で自分を抱きしめ、ポロポロと涙を流しながら、震える体を必死で…抑え込んだ。

週末、母は笑顔で送り出してくれた。
もう笑っていいし、安心していいのだ。と。

その筈なのに…。
けれどそうはならなくて、ハウリィは一人きりに成ると、刺激を必要とする体を抑えながら、我慢できずに泣いた。

だから…夕食前にギュンターに送り届けられたアスランが、声も立てず身を震わせて泣く、ハウリィを見つけた途端、駆け寄って抱きしめたとしても、無理ない事だろう。

アスランは優しいハウリィが、大好きだった。
けれど…ハウリィが、心から嬉しそうに微笑んだ姿を、見た事がない。

どこか…寂しそうな笑顔。
決して拭い去れない不安を抱え…それでも笑ってる。

…そんな…笑顔。

だから…言った。
「…ギュンターに…話してみる?
彼なら絶対応えてくれる!」

ハウリィは顔を上げてアスランを見る。
涙がまた、滴った。

だって…こんな時、ハウリィが思い浮かべるのは唯一、ローフィス、その人だけだったから。






つづく。
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