
アースルーリンドについて。国の紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)「………だろうが、奴だって男だ!
幾ら可憐で可愛らしく見えようが!
男に綺麗は禁句だ!
言われて嬉しい奴は居ない!!!」
一番長身のギュンターに、皆頭上から怒鳴られてシェイルを見ると、シェイルはぷんぷん怒ってた。
「彼の言う通りだ!
綺麗と言われて喜ぶのは女性で、男に言ったらそれは、単に侮辱してるだけだ!!!」
アスランが、済まなそうにシェイルに告げる。
「すみません。
もう言いません」
シェイルは気づき、呟く。
「尊重してくれるなら、もっと…凛々しい。とか雄々しい。とか言って貰えると、かなり嬉しいんだけど」
が、この言葉に皆、顔を背けてこっそりぷっ…と吹き出す。
ギュンターは吐息混じりにシェイルの側にやって来る。
「…それは勘弁してやれ。
俺だって男で綺麗だ。と幾ら思っても口には決して出さないが…嘘はそうそう、付けるもんじゃない。
不美人を、素晴らしく綺麗だと言え。
と、脅してるのに近い」
咄嗟にシェイルはアタマに来て、足が出た。
つまり真横のギュンターの足を、蹴ったのだ。
ギュンターは暫くシェイルの、怒った素晴らしく綺麗な顔を見つめる。
ギュンターの無言と無表情に、皆が流石に上級生で監督生を、幾ら軽くだろうが蹴るのはマズイんじゃないか。
と思い始めた頃、ギュンターが口を開く。
「お前が蹴るなんて、予想して無かった。
だが知った以上二度と俺を蹴れると思うなよ」
「…どうして?」
「…来ると解ってたら避けるに決まってるからだ」
そう言って背を向けるギュンターに、皆が絶句した。
シェイルがギュンターに、そっと告げる。
「上級を蹴るなんて無礼だ!
と、怒るからじゃなくて?」
ギュンターは、振り向くと言った。
「年上は立てといた方が礼儀に叶ってるが、俺は説教は苦手だ。
教えるのは剣と乗馬と聞いている。
礼儀は別のやつから教われ。
だが調子に乗って蹴って来るんなら、いつかどっかで俺の反撃喰らうと、覚悟しとけ」
皆がそう言って背を向けるギュンターの、その背中を無言で、見つめ続けた。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
