アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 388 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

よせばいいのに、風呂場のシーンに戻っちゃいました…。

オーガスタスが描きたい…。

けどディングレーの修正がまだ…。

$「アースルーリンドの騎士」

王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

 アイリスは頭の中の言葉の指示に頷くと、緑の薬湯に傷口を浸す。
そしてオーガスタスを見ると、オーガスタスの肩が出てるのに忠告する。
「傷を出来るだけ浸せと」
オーガスタスは目を閉じたままつぶやく。
「聞こえてる。
だが下の傷だけでかなりあちこち疼くのに、これ以上数を増やしたくない」

ローフィスも、アイリスもがそう言ったオーガスタスを見つめ、だが思い出す。
「…闇の傷だったな…」
そのローフィスのつぶやきに、傷を浸せ、とローフィスに肩を押し下げられたシェイルが尋ねる。
「違うのか?」

アイリスがささやく。
「普通の傷は、染みるどころかじんわりくるまれたみたいに気持ちいいけど」

唯一人傷を負ってないローランデがギュンターを見つめ
「そうなのか?」と尋ね、ギュンターは無言で頷いた。
「痛みが和らいでる」

アイリスがオーガスタスを見つめる。
「どんな、感じ?」
「傷自体は同じだ。和らいで心地良いが、時折ちりり!と焼けたような痛みが、そこらかしこに立ち上る。
火傷に近いかもな」
アイリスが、吐息混じりに顔を、下げた。
「『闇の第二』の傷じゃな」

オーガスタスが目を開けアイリスを見る。
「そんなに厄介か?」
「奴の“障気”は他の何倍も強烈だ。
自分の“障気”に一度でも触れた者の古傷を見つけると、そこから強引に進入して心を乗っ取る名人で…」

ローランデが不安そうにささやく。
「ギュンターは乗っ取られかけた…」
ゼイブンが振り向く。
「が、振り払ったろう?
傷付けられた訳じゃない」

シェイルも不安そうにオーガスタスを見つめ、ささやく。
「傷付いた方が…不味いのか?」
ローフィスは吐息混じりに頷く。
「跡も残るし痛みも、長引くだろう?
それだけ強烈に、刻印を付けたのと同じだ」

スフォルツァとラフォーレンはそれを聞き、つい黙り込む。



つづく。

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