アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 314 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

$「アースルーリンドの騎士」


王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)

“奴らは今、結界の中で傷を癒している…。
それは外界との遮断を意味する。
癒し手が、奴らを癒す、その時以外は。
結界の中で深く眠る奴らを、捕らえ我の夢に誘い込むのは簡単だ。
『光竜』と言えど、その微かな気配を読むのは並大抵では無い。
なぜか、解るか?
小さき陰謀者”
メーダフォーテは首を横に振った。
「『光竜』は万能では無いのか?」
“奴は竜。
人間の、小さき感覚など、解りようか?
お前は蟻の痛みが解るか?
…それと同じ。
巨大な奴には、その身を降ろす人間の感覚があって初めて、人間がどういう時に痛み、幸福を感じるのかがようやく解る。
だがその、身を降ろした人間も今は光の結界の中………。
奴が気づかなければ、『光竜』とて知る術が無い”

「…つまり『光竜』は、ディアヴォロスを通して人間が理解出来るのか?」
“それも、大変な苦労よの…。
お前は蟻に、加減が出来るか?
潰して終わずに、その身に触れるか?
人間と関わる等、ほんに物好きな『光竜』よ………。
ほんの僅か、本来の力を使えば崩れ去る程の小さき者と、寄り添うだ等と……………”

メーダフォーテはつい、俯く。
「………『光竜』ワーキュラスとは……それ程大きいのか?」
“精神も偉大だ。
その大きな者が小さな器に身を降ろす…。
『光竜』とて、神経がくたびれ果てる作業だ。
まして自分とは掛け離れた、理解を超えた下等な生物と。

我は一度『光竜』を間近で見た。
あまりに光に包まれ、眩しくて姿すら見えなかった。

奴らは『光の国』アシュランド・リンデーネスの中心、巨大な光柱の中で光を食す生き物。
その身を光で浸した、この世で最も崇高で偉大な生き物……。
だが偉大ゆえ…我ら人間のちっぽけな苦しみは理解出来ぬ…。
依り代(よりしろ)が無ければな………”

メーダフォーテが顔を、上げた。
“お前達の国、アースルーリンドの名は『光の国』アシュランド・リンデーネスから取った名だ。
『光の民』…そして、『影の民』と呼ばれる反逆者が居たからこそ…民は統一され、国として統治されている。
だが昔は……。
個々の部族が群れ集い、時に諍う、まとまり等無い地だった”

メーダフォーテはその…創始の頃を熟知する王を見つめた。
氷室の中、凍ったまま眠る、白い横顔を。
“お前が知りたければ見せてやろう…。
介入したければそれも可能だ”
「私も捕らえる気か?」
“我は“影”では無い…。
娯楽を与えたお前を罠にははめぬ”
「だが“影”に近い……。
だから、眠らされてここに居る…違うか?」
王は再び、くっくっくっ…と笑った。
“誰でも、気に入った者は手に入れたい…。
我はそれを我の夢の結界で実現し、集め、飼っていた。
それは意志を縛る不当な行為だと…、咎められても我は止めぬ。

つづく。

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