登場人物紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)ファントレイユがそっと…その瞳を見開いてアイリスを見つめ、つぶやく。
「…一緒に……?
死ぬつもりだったの?
あの大きな騎士と…………」
ゼイブンがそうつぶやく息子の、ブルー・グレーの瞳の奥に一瞬、ノルンディルが剣を振り降ろしその直後、ノルンディルの剣の喰い込む傷口から血を吹き出しながら致命傷に近い傷の痛みを歯を喰い縛って抑え込み…アイリスが…最後の気迫を込めてノルンディルの腹に真っ直ぐ剣を、刺し貫く様子がはっきりと浮かび上がるのを、見た。
ファントレイユの声は…震えていた。
「…だからテテュスは………あの時あんなに、必死だったの………?」
ファントレイユが顔を真っ直ぐ上げてアイリスを見つめ、アイリスは涙で潤んだ…その濃紺の瞳をファントレイユに向けると、やはり掠れた声でささやく。
「ノルンディルを殺せたら……それはあの場ではとても、大きな事なんだ。
彼はあの場の、総大将だから。
…でもそれで…レッツァディンは引いたりはしなかったろうが少なくとも…部下のフォルデモルドは動揺した筈だ」
ローフィスは肩を竦めた。
「余計腹を立てたな。間違い無く。気狂いのように。
お前にすっ飛んで行ってまだ息があったなら確実に、腹立ち紛れに剣をブン回し止めを刺しても尚、お前の屍に剣を、ぶすり。ぶすりと気が済むまで、その形が全て崩れて肉の塊に成る迄突き刺し続けたに違いない」
アイリスはローフィスに言われた途端、口に手を当て、そっとささやく。
「それ…ぞっとしない」
ローフィスは顔を上げて肩を竦める。
「だって事実そうだ。
あいつ、オーガスタスが居なくて奴とやれず、鬱憤たまりまくってた上、兄貴分の大好きなノルンディルをお前に殺されたりしてみろ。
お前の死体を細切れにして、狼の餌にしても足りないんじゃないのか?
それとも“俺様の栄養に成り果てろ!”とかほざいて、自分のコックに調理させて喰っちまうかもしれない」
レイファスもファントレイユも、思い描いてうっ。と口を押さえたし、ディンダーデンは思い切り眉を歪めた。
ギュンターもディングレーもローフィスの作戦だと知ってはいたが、その例えのグロさに、もう少し他に方法が無いのか?と
揃って眉間を寄せてローフィスを盗み見た。
テテュスがローフィスに振り向き、叫ぶ。
「そんな事、僕が絶対させない!」
ローフィスは肩を竦める。
「アイリスが居なけりゃ、お前がノルンディルにそうされてた」
テテュスの、眉間が一気に寄る。
さっきのアイリスが自分にすり替わり、湯気を立てる肉の盛られた皿の前に、フォークを持ち上げるフォルデモルドがノルンディルに取って代わって。
そしてローフィスはおもむろに親子二人に告げる。
「良かったな。形がそのまんまで。
ローランデに感謝。だろう?
…ああついでに、ギュンターにもか?」
ギュンターは憮然、とローフィスを睨む。
「事の発端は俺でこの旅は全部、俺のせいだって知ってるんだろう?!」
ローフィスはそれを聞くと、素っ気なくアイリスとテテュスに言った。
「ギュンターは、礼はいいそうだ」
アイリスとテテュスはギュンターを見ると、彼はふい。と顔を背けた。
つづく。


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