アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』晩餐での冒険220 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

王冠2 登場人物紹介


だが、皆が見ているとアリシャの顔色が戻り、生気を少し、取り戻したように見えた。
彼女は頭を揺らす。
そして、その手を、取り巻く群の中に居るディングレーに差し出す。
ローフィスが見るとディングレーは一つ、吐息を吐き出し、アリシャの前に屈んで自分の首を、差し出した。
ローランデとシェイルは顔を見合わせたし、ゼイブンはその男の中の男の、仕方無しに従う姿にくすりと、笑う。
アイリスが、ディングレーを気遣い慌てて言った。
「私が抱き上げるから…!」
だが、とっくにディングレーに抱き上げられたアリシャは、ディングレーの背から腕を差し出すアイリスに、つん!と顔を背けた。
「私、お兄様は卒業したの」
アイリスはおろおろと、それでもアリシャに告げる。
「でも、ディングレーで無くてもいいだろう?」
「言葉が、通じて無いようね?
お兄様より彼がいい。って、私今、そう言ったつもりだけど」
アイリスは呆然とし、テテュスが心配そうにそっと、アイリスを見上げた。
アイリスは、尚もつぶやく。
「でも…ディングレーはそうじゃないと思うんだけど」
アイリスが自分に気遣いを見せる事に気づき、背を向けていたディングレーはアリシャを抱いたままアイリスに振り向くと、タメ息混じりに告げる。
「…仕方無いだろう?」
ギュンターが呆れてつぶやく。
「お前、病人に弱いのか?」
ローフィスはくすくす笑うとギュンターに振り向く。
「か弱い相手には、奴はお手上げなんだ」
ローランデが、俯いてぼそりとつぶやく。
「通りで、初めて見る姿だ…」
シェイルも、親友の言葉に頷く。
「近衛にか弱い者は一人も、居なかったものな」
オーガスタスがつい、くすくすと笑い続け、アリシャを抱いて戸口に消えるディングレーの背を、見送った。



つづく。

宝石赤宝石緑 この連載を、始めから読む星


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 『野獣の初な恋心』『幼い頃』
の2008/6/11から
宝石赤

ひらめき電球ひらめき電球ひらめき電球ぽち。してね音譜

恋の矢恋の矢恋の矢こっちもねキラキラ



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