アースルーリンド外伝。テテュス編。『幼い頃』 134 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

21 ゼイブンの、剣

ゼイブンは講義を見て、感心した。
まるで軽い体操のように、ローランデはテテュスとファントレイユの剣を同時に受け、継いでレイファスとテテュス。レイファスとファントレイユと、二人ずつを相手に余裕だった。
「・・・大したもんだ。10人があっという間に死ぬ筈だ」
感心するゼイブンに、ディングレーがそっと訊ねた。
「で、あんたは一度も、教えて無いのか?」
ゼイブンはその男らしい男前の大貴族を睨む。
「自分が死なない為の訓練以外にどうして、剣なんてぞっとするシロモノを持たなきゃならないんだ?
持つなら女の腰がいいに、決まってるだろう?」
皆がそれぞれ、そのゼイブンの徹底ぶりに呆れて吐息を吐いた。
「・・・良くそこ迄女の事だけで頭が一杯に出来るな」
ギュンターがつぶやく。が、ゼイブンはその美貌の金髪の野獣をはすに見つめた。
「・・・あんたはトチ狂ってあの、凄腕の剣士に惚れて以来彼で頭が一杯なんだろう?
俺の事が、言えるのか?」
皆の視線が集まり、ギュンターは肩で息を吐くと、肘をテーブルに付けて前髪に触れる仕草で顔を隠し、俯いた。
それ見た事かとゼイブンに頷かれ、ディングレーがギュンターをどついた。
「本当に、反論出来ないのか!」
オーガスタスが、無理だろう。と顔を下げる。
ローフィスが俯いて大きなため息を、付いた。
つづく。