アースルーリンドの騎士追加特記その22 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ソルジェニーが、彼のそれは見事な、栗毛の馬に跨ってファントレイユの後を、付いて行く。
ファントレイユは目で王子の乗馬の様子を、気づかれない様にこっそり観察していたが、彼の乗馬の、それは自然で乗り慣れた様子に一つ、頷くと拍車を、掛けた。
ファントレイユの、その自分を置き去りにする早さに、ソルジェニーも思わず必死に彼の後を、追う。
追いついて彼に並ぶと、ファントレイユはそれは優雅に馬を操りながらソルジェニーに振り向いて微笑みを送り、更に速度を、上げてみせた。
ソルジェニーが、それでも付いて来ると、誉めるように彼に微笑み返す。ソルジェニーは彼の視線を受けると、途端に心が弾む自分に、気づいた。
ファントレイユに見つめられると、自分は何だか特別な、人間に成ったようで凄く、胸が熱くなった。
間もなく、彼は並ぶ家々の軒先から、粗末な門を見つけ、潜って中に馬を進め、居並ぶ馬の列に、自分の馬を、繋いだ。
ソルジェニーが彼に習って馬を降りて繋ぐ様子を見て、ファントレイユは笑った。
「・・・そんなに自分で何でも出来るんなら、城の中はさぞかし、もどかしいでしょう?」
「・・・皆、私に何も、させてはくれません」
ファントレイユはそのソルジェニーのぼやきに、心からの笑顔を、見せた。
あんまりその笑顔が屈託無く明るくて、ソルジェニーもつられて、笑顔になった。

続く。