世界との差 | より速く、より強く、そして・・・より美しく!

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今回の世界陸上では、女子1万M決勝において、

ラスト1周まで日本の選手が先頭集団を引っ張るという

素晴らしいレースを見せてくれました。

テレビで観戦していた多くの皆さんも

「凄い!」と思われたと思います。

確かに、新谷選手の走りは素晴らしかったです。

新谷選手が、日本の選手の中では群を抜いていることを

改めて感じたレースになりました。

しかし、世界との差が縮まったかと言うと、

なんら変わりがないというのを思い知らされました。

ラストの400mで13秒もの差が開くのです。

100m通過する毎に、3秒以上も差が開いているというのは

中学生と箱根駅伝の選手ほどの力の差があることになります。

これは、見た目以上に大きな差だということを

理解して欲しいと思います。


1996年のアトランタ五輪では、

女子5000mで志水選手が、15分09秒台の日本記録で4位入賞。

ラストで、どんどん差を広げられたのではなく、

あと10mあれば、メダルに届いたと感じたほど、

素晴らしいラストの走りでした。

ラストスパートは、抜群の切れ味であり、

それを引き出す、小出監督の絶妙なレース戦略でした。


翌年の1997年、アテネ世界陸上でも、

千葉真子選手が、途中何度も先頭に立ち、

集団をリードする走りで見事に3位に入り、

銅メダルを獲得しているのです。

忘れてしまっている方も多いかもしれませんが、

日本の選手が、トラック競技でも世界の舞台で

活躍していた時代は15年以上前にあったのです。

ちなみに、千葉選手は、それから6年後の2003年、

パリ世界陸上女子マラソンで見事に銅メダルを獲得しています。

トラックでもマラソンでもメダルを獲得しているのは

千葉選手だけだと言うのも忘れてはならない事実です。


女子1万Mの日本記録を見てみても、

世界的に置いて行かれているのが分かります。

現在の日本記録は、渋井陽子選手の30分48秒89。

実は、このレースでは、渋井選手とデットヒートを繰り広げ、

僅かに渋井選手を先行してアメリカ記録を更新した

アメリカ人選手がいたのをご存知でしょうか。

2002年のことです。

それから11年経過した今、日本記録は更新されていません。

一方、アメリカ記録はというと、

現在30分22秒22(2008年)まで更新されています。

そうです、完全に置いて行かれています。


今年の全国高校総体(インターハイ)の

女子3000m決勝では、9分一桁、

9分10秒台で多数の選手が走りました。

こういう記録を見てみると、日本の高校生のレベルは

世界的にも高いと言える状況です。

しかし、その後の成長が15年以上前から止まっています。


目先の入賞を喜ぶ前に、この事実を冷静に受け止めて

ジュニア選手から一貫した育成システムを構築することが

急務であるというのは明白です。

世界との差は、縮まっているどころか、

むしろ、どんどん広がっています。


有力選手が出場しなかった、今回の世界陸上で

ひとつしかメダルが獲得できないのですから、

有力選手が集まるオリンピックでは、

更に厳しい戦いを強いられるのは間違いありません。

世界は待っていてはくれません。

必死で追いかけなければ、どんどん逃げられてしまいます。

今まさに、ニューヒーロー&ヒロインの登場と

正しい強化方法が求められています。