「雅明!ほうきある?」


「待って2つしかないから!」


「終わったら貸して!」


「うん!」


今俺たちは俊夫さんの店の掃除をしている。1ヶ月くらいほっといたらしいから、床には相当ほこりがたまってる。


「そろそろ休憩しようか?」


「そうですね。」


店の真ん中に位置する机に3人で座って休憩した。俺が途中で買ってきたせんべいを食べた。


「そういえばこの店の名前ってなんて言うんですか?」


「ああ、名前ね。一応『定食屋はせがわ』だよ。僕の名字が長谷川だからね。」


「和樹も長谷川だからな。」


「和樹の母ちゃん離婚したからな。」


「そういう話するか今?」


「そういえば俊夫さんって・・・」


「結婚かい?してるし子どもももいるよ。でも今は別居中だけどね。家の姉弟ってそういう血なのかな。」


「ちょっと話が重くなってきましたね。」


「ごめんごめん。そろそろ続きしようか?」


「はい!」


俊夫さんは明るい顔をしているけど、目は悲しそうだった・・・なんちゃって。でもほんとにそう思う。           つづく





















夏休みになって2日目。


雅明と俺は俊夫さんの店を探していた。


「この道じゃね?」


「もう一本向こうだろ。」


「え~こっちだって。」


「じゃあ、じゃんけんで決めようぜ!」


「あっち向いてほいも付けろよ。」


「めんどくせえな。最初はグー、じゃんけんぽい!・・・よし!」


よし!勝った!


「まだまだ!あれがあるぜ!」


「ああ!あっちむいてほいっ!」


「何!一発で負けるとは。」


「はっはっはっ!じゃあ、もう一本向こうだな。」


俺の予想はあっていたらしく俊夫さんの店らしきものが見えてきた。


「ほら俺があってたじゃん。」


「まぐれだな。」


この野郎。


店のドアを開けた。横にスライドさせる式だった。


店の中の机で俊夫さんは本を読んでいた。エプロンをしている姿がなかなか似合っていた。


「ああ君たち、よく来たね。」


「なかなかいい店じゃないッスか。」


たしかに雅明の言う通りちょうどいい広さで一目見た時の印象は良かったが、


「でもちょっと掃除が必要ですね。」


「だな。まずは掃除しようか。」       つづく


それからしばらくして和樹の家に着いた。


チャイムを押すと和樹のお母さんが出てきた。


「あら!お帰り、楽しかった?」


「うん、とっても!」


和弥が笑顔で報告する。


「ああお前らホント悪かったな。」


中から和樹が出てくる。


「ああ、いいって。俺らも楽しかったし。」


「本当にありがとう君たち。」


「いいっすよ。長いつきあいなんですし。」


「まあ長いって言っても3年くらいだけどな。って、そんなことより・・・


俊夫さんが前に出てくる。


「やあ姉さん久しぶり。」


「え?と、俊夫?どうしてこんな所に居るの?」


「実は水族館を出たところで会ったんです。それでちょっとお願いがあって。」


それから俺たちは車で話していたいたことをお母さんに伝えた。ひったくりの事は言わなかった。


「・・・そう。でもいいの?あなたたちも忙しいでしょ?」


「その点は全く問題ないです。」


そんな断言しなくても。


「じゃあ、あんまり無理しないでやってね。弟をお願いね。なんかうちの家族がお世話になりすぎね。」


「よしじゃあ頑張ろうぜ!」


「おう!」


「僕たちも暇なとき手伝いますね。」


「ああ頼むぜ。」          つづく