ずっと休みがないので、「そろそろ休みたいわい・・・・。」・・・と、いじけながら出勤。
しかし、いじけている暇はないっす・・・・今日は、例の難しい物件の建築確認提出の日です。
朝一に名古屋の確認検査機関に向かう。
分厚い6冊の申請書を、ひぃひぃ言いながら持って・・・確認検査機関の窓口へ。
担当者の方が来られて、協議が始まる。
一番の問題は、一期工場の構造計算書。
二期工場は、適確建物の適判物件・・・・しかし、建築時期が早い一期工場が、
既存不適格にならないと、今回の接続通路及び、一期工場が、魔の「適判行き」になってしまう。
・・・んなことになったら、適判が何を言い出すかわからん。
すでに稼働している工場の構造体にメスを入れ、「一部を壊して、あーしろ!こーしろ!」なんて、
言われたら、建築主様にご迷惑をかける!!!
(それに加え、「申請費用」も高額になる。)
大体・・・一期工場は、3.11の地震に無傷で耐えたんじゃ
今更、机上で好き勝手な屁理屈言われる筋合いは無いわ・・・・・と、こちらが思っていても、
難癖をつけるのがお仕事の適判機関ですから・・・・。
もちろん、そのへんの事情は、確認検査機関の検査員の方も重々承知。
ですので、構造計算基準を、頭を突き合わせ・・・・ひたすら協議。
しかし、RC造の計算基準は大きく変わっているのですが、S造は意外と変更が少ない。
既存不適格!・・・・と、決定づける変更箇所がなかなか見つからない。
「やばいぜよ。このままでは、マジで適判行きかも・・・・。」
と、焦っていたら、使えそうな設計基準変更箇所が見つかった。
『庇』のサイズ・・・です。
「片持ち梁」の計算基準が変わっていた・・・・ただし、出のサイズが2M以上の場合。
確か一期工場の庇の出・・・・・2Mだった気がする。
大急ぎで図面を確認・・・・2Mだった!!!
「これで行きましょう。」
確認検査機関の担当者の方も私も・・・・・ほっと、一安心。
フラフラに疲れて・・・・北名古屋に戻ってきた時は、すでにお昼でした。
「あかん。昼から部活がある下の娘に、メシ食わしてないがな。」
大急ぎで家に帰り、昼食をとった下の娘を学校に送りだし・・・・・私達も会社に戻ろうと車に乗った。
しかし・・・・。
娘の通う、中学校の前の道を通った時、中学生とすれ違ったのですが、
なんだかグラサンをした怪しい男が、中学生4人と話していた。
私と妻は、嫌な予感がして・・・・少し、彼らから離れたところで車を止め、ウインドウをあけて、
話している声を聞いていた・・・・んが!遠くて、声が良く聞こえん。
すると、妻が、突然、車のドアを開けて、
「あの子達・・・・あの男に絡まれとるのかもしれん、私、見てくるわ。」
と言って、グラサン男と4人の中学生の所に歩いて行った。
さ・・・・・さすが、『男前キャラ』のウチの妻。
おそらく妻の「正義の炎」が激しく点火したのであろう・・・・あっという間に、いっちまったぞ。
・・・しかし、感心しとる場合ではない。
相手は何者かもわからん・・・・・グラサン男には、グラサン
しかあるまい。
・・・と、私も車にあるグラサンを身に付け、戦闘体勢に入った。
「おっしゃー。一発、ぶちかましたる。」
と、走り出した瞬間・・・・ふと、我にかえる。
待てよ・・・ここで、いきなりグラサン男に飛び蹴り喰らわして、大立ち回り演じてしもたら、
おまわりさんに、この男と一緒に、しょっぴかれてしまうがな・・・・午後から、仕事できせん。
おうっ・・・・いいこと思いついた。
こういう時は、『多勢に無勢』攻撃が一番だがな。
私は、反対方向に向かい、すぐ近くの中学校に入り、職員室の先生に、
「○○中学の生徒が絡まれてます!」
と、伝えた瞬間・・・・ワイ・・・自分も怪しいグラサン姿のままだったことに気付いた(やばす)。
しかし(幸い、私は怪しまれず)・・・・若い男の先生4人が、猛ダッシュ
・・・現場に走って行ったのであった。
私が遅れて現場に着くと、隣の小学校から、女の先生も出てきて・・・・敵(?)は囲まれておった。
そこへ、中学校の校長先生も「最後は、俺がキメルしかないだろ。」・・・という落ち着きの貫録で、
ゆっくりと歩きながら現場に到着・・・・勝ったな・・・・これで完全に「多勢に無勢」である。
ま・・・・私も妻も・・・・基本・・・・部外者ですから、余計な首は突っ込まず、
後は先生達にお任せして、その場を去りました。
でも、自分たちの大事な生徒達を守るため、猛ダッシュしていった若い4人の先生達・・・・。
・・・・・そして、校長先生も。
勇敢でしたよ・・・・生徒さん達は、幸せです・・・・私は、しみじみそう思いました。
これ・・・娘の通う中学校の先生達の話だったんですが・・・・。
本当にありがとうございました。
子供を通わせている親として・・・・感謝しています、本当に。