現場で詰めるべし! | WAS IT ALL WORTH IT ?

今日は、日曜日。

午前中、会社で雑務を済ませ、午後から、某分譲会社さんの現場で打ち合わせ。

たぶん、打ち合わせは長引くであろう・・・と予想して、そのまま、春日井市へ移動できるように、

妻と一緒に現場へ向かう。


ここで、打ち合わせ中、妻は車の中で待っていた。

しかし、打ち合わせは予定どうり長引き・・・・結局、2時間、妻は車の中で待機となった・・・。

時間ぎりぎりに現地を離れ、コンビニで軽い昼食・・・・と言っても、午後3時20分。

これでは、夕食はまともに食えんなあ・・・・と、思いつつ、春日井市へ向かう。


時間ぎりぎりにKH様邸に到着。

仕事人間のK棟梁が一人で仕事をしていた。

そこへKH様ご夫婦が到着。


K棟梁が残念そうに言った。


「もうちょっとでした・・・・。来られる前に階段、完成させようと思ったんですけど。」


ササラが付いて、下から3段目までの踏み板がついた状態であった。

KH様にハシゴではなく、階段で2Fに上がってもらえるようにK棟梁は、がんばっていたらしい。

ここらへんの気遣いが、いかにもK棟梁らしい・・・・ワイは心の中で、とても感謝した。


打ち合わせ開始。

今日は、現地でニッチ、スリットの打ち合わせをすることになっていました。

毎回こういう現場での打ち合わせをさせていただくのですが、当社は、


「できる限り、現場でデテール(細部)を決める。」


と、いう方法をとります。

あらかじめ設計段階で、何から何まで、図面で解決しようとする会社もあるかもしれませんが、

設計段階で決めることには、いくつかの欠点があると、私は思う。


理由は、


①「図面をお客様が理解できない。」

そもそも、専門的な設計図書を完璧に理解できるお客様は皆無です。

設計者がいくら図面で説明した気になっていても、お客様は理解されていないことが多い。

後で、お客様に「え!こうなっちゃうんですか?図面ではわかりませんでした。」と、

言われるようなことがあってはならん!・・・・と、私は思う。


②「記憶が古くなる。」

設計段階が終わり、工事が始まる・・・・そして肝心なインテリアのデテールの工事が

始まる時期というのは、設計段階から軽く3か月近く時間が経った頃です。

つまり、設計段階の打ち合わせの記憶が、お客様の中でも、我々設計士の中でも、

かなり古い情報になっているため記憶があいまいなことが多い。

いくら設計図に記載したとしても、情報としては古い。


③「実物を体感できるし、職人さんに直接要望が伝えられる。」

建物の骨組みが出来上がって、その部分をつくるその直前に、お客様に現地で、

実際の建物の広さなどを体感していただきながら、細部を決めると、間違いがないし、

その部分をつくる職人さんに直接、お客様から要望を伝えることができるので、

つくる職人さんの仕事にも間違いがない。

設計図に書かれたデテールは、悪く言えば、設計士を経由した『又聞き』の情報に近い。

直接、つくる人に、要望を伝えるのが一番です。


④「廃版を避けることができる。」

当社の場合、クロス選びは、毎回、大工工事が半分近く進んだ段階で行います。

今日も、現地でKH様にクロスの見本帳をお渡ししました。

あまり早い段階で、クロスを選んでも、それから数か月後のクロス工事前に、

「お客様が選ばれたものは、少し前に、廃版になりました!」

・・・・なんてことになったら、また、大至急、選びなおしていただかなければならん・・・。

そんなご迷惑をかけるのはいけません。


・・・・ということで、今日、現場でKH様とデテールを詰める打ち合わせを行いました。


 K棟梁と打ち合わせ中のKH様ご夫婦


階段下の収納の天井高を決めているうちに、階段下にもう少し、使えるスペースが見つかる。

そこで、ご主人様が、


「ここに・・・・金魚ちゃん、置けんかなあ・・・・。」


私は、心配になり、


「カウンターどうします。まともな集成材を使うと・・・・・その・・・・追加が出ちゃうんですけど。」


「うーーーーむ。」


悩む、ご主人様と奥様。

そこへ、K棟梁が、一言、


「フローリング材でよければ使えますが・・・小口も幅木で処理して・・・。」


私はKH様に聞いた。


「フローリング使ってもよろしければ、追加は・・・材料代としてはでません。

ただ・・・・後は・・・・大工手間だけなんですけど・・・・・。」


と、ちらっとK棟梁のほうを見ると・・・・・K棟梁は大工手間は、ま・・・いいですよ、と、

目でサインを送ってきた。


「フローリングで、お願いします!」


KH様は即決された・・・・。


そして、その後・・・・ワイの知らんところで、甘え上手な奥様は、K棟梁にいろいろ、

お願いをしてござったらしい!


「わーいドキドキ棟梁さんに・・・・も、頼んじゃったラブラブありがとうございます。」


・・・・・う、う・・・・上手すぎる、この人・・・・見事じゃああガーン


(現場で打ち合わせをすると、時には、このような特典が付いてくる・・・・・のかも知れん。)


ハシゴで、2Fに上がり、KH様と打ち合わせをしている間に・・・・・、


 階段の踏み板を全部とりつけたK棟梁


帰り(?)は、ハシゴではなく、階段で下りることができました。

奥様は、階段をおりながら、


「子供達が、これ見たら、階段だあー!って喜ぶぞうビックリマーク


と、おっしゃっていた。


そして暗くなり始めた頃、打ち合わせを終え、戸締りをして、皆で現場を後にしたのでした。


今日も一日、お疲れ様でした。