今日は一日、銀行さん、不動産屋さん、工事中の現場、分譲予定地などを
駆け回り、会社にほとんど戻れず、一日が終わってしまいました。
そんな中、某不動産会社さんの社長さんと今後の打ち合わせをしていた時に、
仲介業者さんであるこちらの社長さんの耳にも、ようやく例の「建築確認」の
話が最近、入ってくるようになったそうです。
「Gさん。大変らしいね。今、確認申請が。」
「はあ。今のところは、まだ、木造がおりてきますからいいですけど、最近、
これは確かな筋からの情報なんですが・・・・その方から聞いた話では、
愛知、岐阜、三重の東海三県で、6/20以降、分譲マンションの建築確認、
たったの2棟しかおりてないそうなんですよ。」
「に、に、・・・・2棟??」
「そうらしいんです。東海三県で2棟ですよ。信じられます?」
「なんで、そんなに少ないんですか?」
「大臣認定の構造計算ソフトが未だに開発されてないからです。
開発する前に、法律を施行してしまったもんだから、設計が出来ないんですよ。」
「はあ・・・・。」
話は、戸建ての分譲住宅に移り・・・・。
「まだ、本決まりではないですけど、今、何とか、おりている木造も、
あと一年ちょっとで、今のマンションのようになるかもしれないんです。」
「木造は、どう変わるんですか?」
「今、私達は、こんな手順で、木造住宅を建築しています。
まず、平面図、立面図が決まるでしょう?
その後、私達、設計者が、耐力壁の実長及び配置を決め建築確認を出します。
建築確認がおりた後、今度はプレカット会社が、各部材の断面算定を行います。
それを設計者が承認し、部材が加工され、現場で大工さんたちが、
告示の金物表を見ながら、現地で組み立てます。
しかし、ここまでの全工程を、約一年後には、建築確認提出時に、全て図面や
書類に事前にあらかじめまとめ上げて、提出しなければならなくなるんです。」
「・・・・つ、つまり・・・・・??」
「つまり、今までは、設計段階、材料加工段階、工事段階で行っていたことを、
じぇ~んぶ、事前に決めなさい!と、なったんです。
ですから、途中で、お客様が、『ちょっと窓の位置変えたいんですけど・・・。』
なんておっっしゃった日にゃー、あんた!・・・・全て初めからやり直しなんです。」
「え、え、えらいことですねえ・・・・。」
「設計期間は今の倍以上かかります、まちがいなく。
それだけじゃありません。
もし、こうなると、プレカット会社さんとパイプのない設計会社は失業ですよ。
事前にプレカット会社さんと、かなり時間をかけて協議しないといけませんから。
プレカット会社さんとパイプのない設計会社さんというのは、どういう設計会社
かといいますと、設計だけをしている設計会社さんです。
プレカット会社さんは、一般的に、建設会社としかパイプはありませんから。
そして・・・・同業者さんのこと言うのも、気が引けますが、
自社に設計士がいない分譲住宅会社さんも、これまた失業・・・じゃなかった、
廃業の危険性が高いです。
こういう会社は自社の建物の設計を外部の設計会社に依頼しているわけですが、
こんな制度になってしまったら、設計料・・・・絶対高くなるはずですから。
設計料が高くなったら、分譲住宅の価格・・・当然、上がっちゃいますからね。」
「・・・・・安く設計できないくらい大変なわけですね。」
「安く設計できるような代物じゃありません。膨大な作業ですから・・・。
・・・・ところで、この改正、ひょっとして、国の在庫処分狙いかもしれませんね?」
「ざ・い・こ・し・ょ・ぶ・ん・・・・・?」
「ほら、この前、宅建協会の講習会で、ある先生が言ってたじゃないですか。
『今、日本は年間100万棟の住宅がつくられています。
ところが、500万棟の新築住宅が売れ残っているのです。』って話。
私、これ聞いた時、じゃあ、5~6年、住宅つくるのやめたら、ようやく在庫が
なくなるんだ!・・・と、わけのわからん計算してしまいましたけど、国は、着工数を
減らして、10年くらいかかって、在庫を処分するつもりなんでしょうかねえ・・・。」
「は、は、は、は!」
「でも、笑い事ではなく、現に、マンション業界は、たぶん、新規の着工がない
わけですから、来年以降はもろ、在庫処分期間ですよ。
一年たてば、木造戸建ても、マンションと同じく・・・・再来年あたりから、在庫処分
期間に突入するかもしれませんよ。
新築が建たなければ、売れ残りから買うしかないですもんね・・・・。」
そういう見地から・・・・私達は今、宅地を仕入れてはいますが、
戸建て分譲はしばらく建てず、時代の流れが読めるまで、
「建築条件付分譲(自由設計)」でいこうと思っています。