建築業界の虚像 | WAS IT ALL WORTH IT ?

設計事務所を経営しながら、建設業も営んでいる当社の

スタッフは、今日も朝から汗まみれ。

わけのわからない芸術論を語る暇もなければ、

外車に乗ってかっこよく「建築家」を自己演出する暇もなし。

(時間の無駄ですな、そんなことは。)


特に会長は、もはや職人と化している。


A様邸の現場で、朝から、大工さんと一緒に仕事。

暑いのが苦手などといっていられないらしい。

脚立に乗り、必死に作業をしていた。

(一見、誰が職人さんだか区別がつかない・・・・。)


 クロス工事中


 キッチン


 玄関ホール


設計事務所がおこなう「監理」というものは、週に一度ほど、

現場を訪れ、打ち合わせをして、一時間ほどでおしまいですが、

「施工管理」というのは、毎日現場に常駐があたりまえ。

(ですから、遠方の現場はできないのです。)


そう考えると、

設計事務所っていうのは楽な仕事ですよ、ほんと。


元、「設計事務所」の私が言うんですから間違いありません。

(ん?・・・いまでも一応、設計事務所でした・・・・。)


しかも!


完成した後、建物に欠陥(瑕疵)があった場合、保証するのは、

設計事務所ではなく、施工管理をしている建設会社です。

(つまり、私達。)


私達、施工担当者自身が10年保証をするのですから、

自分から進んで、欠陥住宅などつくるわけがありません。


ちなみに当社は、自社で設計した物件しか

自ら施工はいたしません。


他の設計事務所が設計をした物件の施工はお断りです。

絶対にやりません!(きっぱり)


あたりまえじゃないですか!!


どこの何者が設計したかわからないような恐っそろしいもの、

つくれるわけありません。


あまつさえ!


その設計士さんが、芸術家気取りの経験の浅い若者だったら・・・・。

考えただけでも恐ろしい・・・・。

そんなホリエモン・・・じゃなかった、村上ファンド・・・・でもなかった、

「虚像」が服を着て歩いているような、いわゆる

自称「新進気鋭の若き建築家」の、へんてこりんな建物の施工など、

怖くてできんですよ・・・・10年保証するのは私達ですから。


日本の建築の法律では、設計士に10年保証はありません。


「どうせ、設計者の私には10年保証などないのだから。」

こう考え、姉歯建築士も、いい加減な設計をしたのかもしれない。


「建築家が第三者的立場で監理すれば欠陥住宅はなくなります。」


建設会社を悪人にして、欠陥住宅問題で商売をしている設計士は

こういいますが、私は逆に、

彼らに、こんな質問をしたくなってしまいます。


「ならば、あなたがしっかり監理した物件が、雨漏りしたら、

あなた(設計士)は、自費で保証しますか?」


しかし、彼らは、こう答えるでしょう。


「建物の瑕疵担保責任は、工事施工者が負うものです。

建設会社に保証してもらいなさい。」


昔は、瑕疵担保期間が非常に短かったのです。

(木造の場合2年ほどでした。)

この頃、一部の悪質な業者が、

「2年間、欠陥が発生しなければなんとかなる!」

こんな気持ちで、いい加減な工事をして、それが後に、

欠陥住宅になったと思われます。


今は、10年保証の時代です。

いい加減な業者は、すでに、淘汰されてしまったと思います。


逆に今は、「虚像」の時代だと思います。


私達が、建設業の登録をし、「設計施工」を始めたとき、

ある設計士さんがこういったのを今でも鮮明に覚えています。


「施工なんか、はじめたら10年保証があるから大変だぞ。

僕は、怖くてできないね。」


実は、建築家の方は、10年保証が嫌で、施工を行わず

「設計だけをする建築家」をしているのだろうか??


本当に、良い建物をつくり、完成した後も、お客様に対して、

つくった建物を責任を持って保証していくためには、

「設計施工」というつくり方しかないと思うのですが・・・・。