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(@DIME)

【ナビゲーター】吉田 類さん


エッセイスト&俳人。全国の酒場を1500軒以上巡る。『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS)でのホロ酔い姿が人気。『類とヤッコの東京二人で酔える居酒屋50』が好評発売中。

 「ちょっとだけ立ち寄って呑む“立ち呑み文化”が下町のベースにあるんです」

 そう語る吉田類さんは、下町大衆酒場を知り尽くした達人、立ち呑みブームの火付け役でもある。

「古くは江戸への参勤交代、その後は戦後、焼け野原になった東京の復興のために、大勢の男性が単身で東京にやってきた。彼らに食事と安らぎを与える場として生まれたのが大衆酒場です。一度に多くの客をさばくために、厨房を中心にその周囲にテーブルを配したコの字形カウンターが特徴です。今でも東京の老舗の酒場にはコの字形カウンターが残っています。その中で立ち呑みスタイルが成立していったんですよ」(類さん)

 類さんによれば、こういったスタイルは東京ならではで、地方ではお座敷の畳の上で車座になっての宴席が基本。これは地域のコミュニティーの絆を深めるためだという。

●東京下町ならではの“粋”な流儀を知る

 店選びのコツとして重要なのは、“酒場オーラ”の有無だと語る。

「安くておいしいものを食べられれば、常連がつき、笑い声や話し声が絶えない。そして彼らの熱気で店内に湯気のような上向きの空気を感じる。そんな“酒場オーラ”のある店がいい」と類さん。

 ただし、居心地がいいからと、いつまでも居座るのはご法度だ。客だからと威張ったり、酔っぱらって別の客に迷惑をかける行為もNG。大衆酒場の流儀をわきまえ節度を持って楽しむのが下町流。

 店員が忙しい時に何げなく手を貸す男性客、店内が混みだしたら席を立ったカップル……取材時も、常連さんたちのさりげない振る舞いに東京の人々の温かさを垣間見れた。酒場ではそんな下町人情も味わうことができるのだ。

★もつ焼き まるい

新鮮でボリュームたっぷりの牛?豚?鶏?馬の肉を堪能したい人におすすめ。店先のテーブルからは、東京スカイツリーを仰ぎ見ることもできる。事前の電話予約が無難。

墨田区業平3-1-1
03-3624-0205
営業 月~金17~22時、土16~22時  日

刻みネギとおろしニンニクがたっぷり添えられた、「国産黒牛のタン刺し」680円(税別)。

◎下町大衆酒場を愉しむ流儀5箇条

(1)店選びは常連さんと 酒場オーラ で見極めよ

明るい話し声が聞こえてくる店、常連がいるお店ならまず間違いなし。客の多い店は回転率が高くて活気があり、店内の温度が高いから、ゆらゆらと立ち上る熱気が見えることがある。この 酒場オーラ がいい店の条件だ。

(2)格好つけずに場を楽しむ

「大衆酒場には、散歩の途中で立ち寄るような気軽さで入ればいい。そのためには格好つけないことが大事だね」と類さん。威張ってみせたり、構えすぎたりでは場になじめない。あくまでも自然体で酒場の雰囲気を楽しもう。

(3)酒に迷ったら下町の酒、ホッピーかチューハイを

焼酎ハイボール(略してチューハイ)は、東京?城東地区が発祥の地。立石界隈ではさらに略して「ボール!」と言うのが通な頼み方。チューハイもホッピーもアルコール度数は低く薄味なので、酒肴との相性がいい

(4)煮込み料理にハズレなし

煮込みは酒場の王道メニュー。特にもつ煮込みはどこのお店でもたいてい用意されている。大鍋で何時間も煮込まれたもつは、やわらかくて酒によく合う。店によって味つけやアレンジが異なるので、味を比べてみるのもよし。

(5)長居無用、深酒無用、それが 粋

だらだらと長居をしたり、酔って人に絡んだりするのはマナー違反。混み合ってきたら、さっと勘定を済ますのが 粋 というもの。

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