コロナコロナと最近コロナウイルスに関することばっかり書いているので、たまには趣味であるミリタリーについても書きたい。
今日のお題は自衛隊が配備している9mm機関拳銃について。9mm機関拳銃は指揮官の護身用にミネベアが開発したマシンピストルである。
この銃、開発して配備した時点で完全に時代遅れで、とても実戦に耐えられるものではない。にもかかわらず、第1空挺団や第12旅団、西部方面普通科連隊(現在の水陸機動連隊)といった陸自の精鋭部隊や海自の護衛艦付立入検査隊、空自の基地警備隊のような近接戦闘が想定される部隊にいまだに配備されている。
まずこの銃の問題点は銃床(ストック)が付いていないこと。両手の力のみで銃を保持するのでとても精密な射撃などできない。これで近接戦闘を行う海自や空自の隊員は気の毒である。敵と味方や人質が混在するような状況ではとても使えない。噂では、海自の特殊部隊であるSBUに当初配備されたが、とても実用的ではないということでドイツ製のMP5に更新されたとか。
それに9mm弾を使用しているので、ボディアーマーやヘルメットを着用した敵兵を確実に撃ち抜くことが出来ない。むろん有効射程も短いから、野戦で使用すれば小銃を持った敵に撃ち負ける。
さらに、近年の小火器で必須となっている光学照準器の装着などもできない。完全に時代遅れの武器である。にもかかわらず1丁当たり40万円もして極めて高価である。
しかも先に述べたように配備先が第1空挺団や第12旅団、海自や空自の一部の部隊に限定されている。元々は指揮官の護身用だから生産数が少ない。にもかかわらず国産開発して配備したのだ。しかも実戦で使えるような代物ではない銃をだ。
そんなにマシンピストルが必要なら、MP5やMP7を輸入で購入して配備したほうがよっぽど良かったはずだ。
自衛隊では9mm機関拳銃以外にも少数配備で高価、かつ性能的に劣る武器が配備される例が多い。これは防衛予算の無駄遣いでもあるし、自衛隊の戦力を低下させることに繋がる。国産武器の開発配備そのものが目的化しているような調達は止めるべきである。