日本人の平均寿命が伸び続け、現在日本は世界有数の長寿大国だ。医療技術の発展などが背景にあるのだろう。メディアなどでは長寿化することが良い事であるように好意的に報じることが多い。


しかし寿命が伸びて長寿大国になることが本当に良い事なのかというと大きな疑問が出てくる。


長寿大国といっても実際に老人は介護を必要とする人が増大している。すでに老老介護や介護疲れによる心中や家庭崩壊が問題になっている。


高齢になっても元気に過ごせるならいいだろうが、介護が無ければ暮せない老人が非常に多く、現役世代への負担になっている面もある。


また社会保障費用増大の問題も深刻だ。病院に行けば待合室が老人で溢れかえっている光景はもはや珍しいものではない。


高齢化で社会保障費は毎年一兆円ずつ自然増加していく。それを負担するのは老人自身ではなく、貯蓄も少なく雇用も不安定な現役世代だ。


しかし、今必死に老人を支えている現役世代は将来自分が老人になった時に同じような待遇を受けれるという保証はない。それほど高齢化が深刻だからだ。


しかも高齢化の深刻化で年金受給者も増えるから、将来的に年金受給年齢が今の65歳から更に引き延ばされる議論も出ている。


そうすると定年も引き延ばされ「体が動くうちは働け」という事になり、人生の殆どを労働に費やさねばならず「生きるために働く」というよりも「働くために生きる」という人生になるだろう。また、定年が延長されれば、それだけ若者の就職先が失われることにもなる。


こうしたことを考えると、平均寿命が延びて日本が長寿大国となることは、害の方が大きいだろう。


将来性のある若者や現役世代を老人が食い潰すという事態になりかねないのだ。それは老人が老害と化すことを意味する。


人間はいつまでも他社の助けや犠牲で生き続けるのは良くない。やはり引き際が大切だ。


これ以上平均寿命を延ばすような医療は止めにしようではないか。自然の摂理に従い、年を取ったら後は若い世代に任せ、極楽浄土に逝くのが本当の意味で幸せと言えるのではないか。