今年も残すところあと1カ月。久しぶりの更新となり申し訳ない。


11月末にメディアが大騒ぎしたこととして中国が防空識別圏を拡張した問題がある。その一部が尖閣諸島を含むことに多くの日本人が反発した。


だがこの件を大騒ぎする必要は全くなく、日本国民には冷静な対応が求められる。


まず国民の中には防空識別圏を領空を混同している人が多いようだ。防空識別圏はあくまでも国籍不明機や敵国の航空機の領空侵犯を防ぐために緊急発進等の対領空侵犯措置を行うかを判別するための目安にすぎない。


中国が防空識別圏を拡張したからといって、それが中国の領空が拡張した事にはならない。また、中国が対象空域を通過する航空便に飛行計画の提出を求めたとはいえ、これは国際法上の根拠や義務は全く無いため応じる必要はない。


そもそも防空識別圏が自国の領土と重複することは国境付近ではめずらしいことではなく与那国島上空の一部もかつては台湾の防空識別圏に含まれていたこともあった。


要するに中国が防空識別圏を拡張したからといって我が国の主権が侵害されるようなことは無いし、自民党や一部保守系のように中国に防空識別圏の撤回を求めたりするのもおかしな話だ。


今回の一件でメディアに踊らされた国民が多い事は事実である。日中の緊張が高まったことを演出され、それを真に受け過剰反応するのが一番危ない。日本が過剰反応し徳をするのは中国とアメリカだ。


中国は日中の緊張を煽る事で日本が尖閣問題等で中国に譲歩することを狙っているし、アメリカは中国の脅威を真に受けて日本が藁をも掴むかのようにアメリカにすり寄ることを狙っている。


つまり親中派や親米派が台頭する事の方が、防空識別圏拡張よりもよっぽど我が国に悪害をもたらす。


日本の航空会社や自衛隊が対象空域を通過する際は、中国の求めるような飛行計画を提出することなど全く必要ないし、尖閣問題で中国に譲歩姿勢を示す必要も全くない。


うろたえるな日本。日本が今回の件で騒いで徳をするのは結局アメリカと中国だと言う事を忘れてはならない。