昨日、柳条湖事件の発生から82年がたったとのことで、日テレのニュースゼロで日中間にくすぶる歴史認識について語っている識者がいた。


名前は見ていないが、その識者曰く日中の友好関係がうまくいかない事の原因に日中間の歴史認識のズレがあり、その溝をうめる事が必要だと言う。


そしてその具体策として第1次安倍内閣で始まった日中歴史共同研究をもう一度行ってはどうかとのことだった。


所謂テレビに出演する識者の感覚としては、日中で共同で歴史を研究、検証し歴史認識を共有すれば日中間の関係が上手くいくと思いたいのだろう。


しかし、それは無理に近い。


なぜなら中国はそもそも歴史の真相を日本に求めることを目的として日本へ謝罪や反省を求めているわけではないからだ。


中国は南京事件や教科書問題、靖國問題などの歴史認識を外交カードとして使い、日本との外交を有利に進めようとしていることを目的としていることと、中国共産党の人民支配の正当性を維持するためにも日本を侵略国家としてバッシングするために歴史認識をうるさく叫んでいるのが真相だ。


したがって中国にとってみれば満州事変や支那事変、南京事件などの真相究明などはどうでもいいことだ。歴史を捏造して自国の非を隠ぺいして、全て日本の責任に帰することができればいいのだ。


だから日中歴史共同研究でも南京事件をめぐっては中国側は日本軍による虐殺数30万人の主張を曲げようとはしなかった。


支那事変の勃発の原因についても国民党第二十九軍が最初の一発を放ち日本を戦争に引きずり込んだことなども当然ながら自国民には知らせず、日本が初撃を放ったように歪曲している国だ。


このような姿勢の国と共通の歴史認識を持つ事などできるはずがない。


もし可能だとすれば、それは日本側が一方的に中国の主張を受け入れることだ。だが、そうすれば中国の歴史捏造すら史実として認めねばなるまい。


そうなれば先人たちに濡れ衣を着せることになるし、中国との外交においても不利な状況にならざるを得ない。


したがって、日中で歴史認識を無理やり共有すれば、日本の立場をより一層危うくするだけだ。また、中国も日本への攻勢を強めるだろうから、かえって日中関係は悪化するだろう。


机上の空論で歴史認識問題を語っても、何の解決策にはならない。まずは、日本に対してうるさく歴史認識問題を掻き立てる中国の本当の目的を知ることが第一である。