普段は歴史認識などを巡り対立することの多い保守派と左翼だが、共にアメリカからの自立が必要と考えている点では同じだ。特にTPPや構造改革などへの批判など経済政策では共感するところも多い。


だが、同じようにアメリカからの自立を唱えているとはいえ、それをどう実現するのかという点を検証すると、やはり左翼の反米論には矛盾が多いことに気づく。


親米派を除く真正保守、反米保守の対米自立論としては、東京裁判史観や日本国憲法などアメリカが造った日本弱体化のための呪縛を解き放つことで日本の自主独立を確保しようというものが多い。


その究極形がいわゆる「戦後体制」の打破だ。戦前戦後で断絶された歴史を取り戻し、GHQによる統治を得て無意識のうちに取り込まれたアメリカ型の価値観を見直して日本人の国家観と歴史観を正常化させる。


そしてアメリカに依存する最大の原因となっている日本国憲法を廃棄し自主憲法を制定。核抑止力の構築も含めた強力な軍事力を持つ事で、アメリカとの関係を従属から対等なものに持っていく。


これが多くの保守派の主張だ。


しかし左翼の場合、口では反米論を唱えているものの、アメリカが造ったおとぎ話である東京裁判史観の見直しに反対、改憲に反対、再軍備に反対、核抑止力構築に反対と戦後体制に従順であり、戦後体制を称賛しているのだ。


朝日新聞においては改憲や歴史認識見直しは戦後秩序への挑戦なのだとか。何を言うか!


戦後体制を造ったのはアメリカであることに注目されたい。アメリカから自立するにはアメリカが造った戦後体制を打破することが絶対不可欠なのだ。


その戦後体制脱却に反対しておきながら、反米論を唱えるとは矛盾も甚だしい。戦後体制の脱却に反対する左翼は、実はアメポチなのである。


左翼は綺麗ごとが好きだが、外交を動かすのは今も昔も軍事力と経済力であることは変わらない。だから自主的な軍事力を持たない国はいつまでたっても自立できない。


今の日本とアメリカの関係は、小さな子供が、強力な武器を持った悪党にこき使われているようなものだ。


アメリカは日本人が正しい歴史認識を取り戻して日本人の対米認識が変わることを恐れている。そしてアメリカが日本に押し付けた対米従属体制である戦後体制を打破しようとすることを絶対に阻止したいのだ。


だからアメリカの押し付けた憲法を平和憲法と称賛し戦後体制脱却を妨害し、日本の自立を阻害する左翼の主張は、実はアメリカを利するだけなのである。


左翼が反米だというのは大きな間違い。実は左翼はアメポチだったのだ。