自民党が改憲案をまとめ憲法改正推進本部で承認された。4月28日のサンフランシスコ講和条約締結60年のタイミングで発表すると言う。自民党の改憲案では自衛軍保持や集団的自衛権行使、緊急事態条項、参政権の国籍条項、天皇を元首と位置づけるなど我々から日本人からすれば「ごく当たり前」の内容だ。やっと当たり前の改憲案が作成された。
たちあがれ日本も自主憲法草案の作成を進めておりこれも4月に発表される見込みである。これで超党派での自主憲法制定、改憲機運が高まることを期待したい。
だが早速マスコミが改憲にイチャモンを付けてきた。西日本新聞は「自民党憲法改正案 いま変える必要があるのか」という題名で社説を書いている。
西日本新聞は「なぜこの時期に憲法改正案の国会提出を急がなければならないのか。理由が、いまひとつ明確でない。」としてこう続ける「日本が主権を回復したサンフランシスコ平和条約発効から60年にあたる4月28日にまでに、党是である自主憲法制定の案を国会に提出したいという党内保守派の意向もありそうだ。だとすれば姑息(こそく)である。憲法は国民のものであり、改正の可否は国民投票に委ねられている。当然、その過程では十分かつ慎重な議論が求められる。」
どこが姑息なのか?憲法改正は国民投票で是非が決まる。だからこそ改憲案を国民に示して新憲法の在り方を議論するのではないか。改憲案を国民に示すことのどこが姑息だ?具体的に言ってもらいたい。
むしろ改憲案の内容を全く国民に示さず議論の時間すら与えずに国民投票を実施することのほうがよっぽど姑息ではないか?
そして西日本新聞の社説はこうも続ける「未曾有の大災害から国と国民をどう立ち直らせるか。1年たったいまも政治の喫緊の課題として眼前に横たわる。(中略)被災地の復興はこれからが本番だ。深刻な原発災害対応は今後も続く。(中略) いずれも、国の姿と私たちの生き方に関わる政治の重要課題であり、憲法改正より緊急度も国民の関心も高い。(中略)いま政治日程に載せる必然性は見当たらない。」とある。
これもただのイチャモン。あの大震災で我が国の憲法の欠陥が露呈したではないか。各国では当たり前の緊急事態時に首相に権限を集中して軍や警察、行政組織を一元指揮する緊急事態条項がないこと。また10万7千人を動員し史上最大の作戦を遂行した自衛隊が未だに憲法上の扱いがあいまいな点。
また冷戦崩壊後もアジアでは情勢が緊迫度を増しており、中国の軍拡や北朝鮮の核問題など安全保障上の課題は山積している。しかし現行憲法ではこれらの事態を全く想定しておらず対処することはできない。
憲法改正こそ緊急性が高い課題なのではないか。いつまでアメリカ押し付けの占領憲法を放置する?
改憲に緊急性がないという主張は震災から1カ月や2カ月しか経っていないのなら分かる。だがすでに1年が経とうとしており改憲について議論する余裕は十分にある。西日本新聞は単に震災を利用して「今は復興に全力を」ともっともらしい事を言って改憲を妨害したいだけなのだ。震災を利用するこの新聞こそ姑息だ。
これからも大規模な災害や不測の武力攻撃が発生する可能性は十分にある。だから自衛隊は軍か軍ではないかとか集団的自衛権は権利はあるが行使はできないなどという神学論争をいいかげんに終わらせる必要がある。
またGHQがわずか1週間で作成し日本国民の立場を考えずに作った欠陥だらけの急造占領憲法を改めて、日本の国柄を踏まえた新憲法を作らねばならないのだ。
それについて大いに国民で議論すべきなのだ。改憲案が示されなければ議論は不可能だ。その点、自民党やたちあがれ日本は国民の期待にこたえようとしている。
一番問題なのは、なにかといいがかりをつけて議論すら封じようとする姑息なマスコミの存在であろう。