来週14日に行われる台湾総統選挙に注目しているのは台湾人と中国人だけではなかろう。我々日本人も大いに注目している。なぜならば国民党の馬英九氏が当選するか民進党の蔡英文氏が当選するかで台湾と日本の運命が決するからである。


日本と台湾は歴史的に極めて友好関係が強いと同時に運命共同体である。もし台湾が中国の手に落ちればバシー海峡及び東シナ海の制海権が中国に渡ることになり、エネルギーの99パーセントを輸入に頼る我が国のシーレーンは中国に支配されることになる。つまり台湾の現状維持、独立確保は日本にとって死活的問題なのである。


14日の総統選の結果次第で台湾が中国に呑みこまれるか現状を維持できるかが決する。つまり日本人が最も注目せねばならない選挙だ。すでに中国国営放送日本支部と成り下がったNHKは国民党が有利となるような報道を行っている。


我々としては何が何でも蔡英文氏に当選してもらわねばならない。蔡英文氏は1956年生まれ。台湾大学卒業後アメリカとイギリスに留学。帰国後に大学教授を得て政府の各種委員会を務めた。もし総統選に当選すれば台湾はじめての女性総統の誕生となる。


台湾の世論は独立派が3割、統一派(中国に併合)が3割、現状維持派が4割というが馬英九氏は総統就任以来中国への傾注を続けてきた。特に経済政策では「三通政策」といい中台間の通信、通商、通航の直接開放や中国人観光客の大幅受け入れなど台湾を中国の一部に組み込むような政策をとって対中依存を深めている。


中国から見れば台湾が経済的に対中依存を深めることは大歓迎だ。台湾を経済的に中国のコントロール下に置くことができるからだ。しかも馬英九氏は総統就任後に「私は台湾人だ」と言わなくなった。


国民党とは元々中国系の政党だ。だから台湾の独立派や現状維持派はこれ以上馬英九氏に総統を任せれば台湾は中国に併合されるという危機感が強まってきた。


そこで民進党の蔡英文氏に注目が集まっている。金美齢さんが台湾を訪れて蔡英文氏と面会した時に「あなたが総統にならなければ台湾に未来は無い」と述べると蔡英文氏は「勝ちます」とハッキリと言ったという。


蔡英文氏は台湾の内政や対中政策以外にも東アジアの平和と安定にも関心を持っている。鳩山政権が普天間問題でつまずいて日米同盟が危うくなりつつあった時、蔡英文氏は「これは日本だけの問題ではない。東アジア地域全体のためにも日米安保は絶対に必要だ」と述べるなど非常に問題意識が高い。


蔡英文氏は対中政策では現状維持派だ。つまり独立して中国と事を構えるつもりはないが中国との統一には断固拒否というスタンスで対中政策に関して中国への傾注を続ける馬政権を厳しく批判している。


尖閣諸島の領有については台湾の領有を主張しているものの尖閣諸島をめぐり日本と争い日台関係にひびをいれることは無いとみられ、領土や歴史認識では穏健であり蔡英文氏は日台関係を重視している。


金美齢さんは蔡英文氏のことを「台湾のジャンヌダルク」と呼んでおり、元総統の李登輝氏も蔡英文氏の支持を強く訴えている。蔡英文氏は台湾をはじめ東アジア情勢にも先見性があり、日台関係重視、中国との統一は断固拒否という台湾のリーダーとして極めて適任だ。


かつて台湾人は戦後に大陸からやってきた国民党(中国人)による白色テロと恐怖政治による抑圧を経験した。さらに1996年の台湾海峡危機で台湾海峡に中国からミサイルを撃ち込まれて中国人の本質を知ったはずだ。ここで馬英九氏が再選し台湾が中国の一部となれば、かつて経験した恐怖と苦しみをまたしても味わうことになるであろう。


絶対に馬英九氏の再選を阻止して台湾人の台湾人による台湾のための政治を取り戻さなければならないのだ。蔡英文氏の当選に台湾の、そして日本、東アジアの未来が掛かっている。なんとしてでも当選してほしい。


そして日本も媚中外交を続ける民主党政権を倒して保守救国内閣を樹立し中華勢力圏呑合を阻止し強力な日台関係を作り上げたいものだ。


蔡英文氏加油!!台湾加油!!