『諸君、聞いてくれぇっ!』
『今期もトップセールは我営業部の大野君で、これで3年間、彼はトップを守ってくれていることになる』
『そして、当部としては全国49営業部の中で、第4位の好成績であった!』
『そしてトップセールス者の居る営業部として、特別表彰を受けることになった!』
『これはとても光栄なことだ』
『これからもこれを励みとして、諸君も大野君に負けないように頑張って欲しい...』
『わしは毎回ベスト5に入れて鼻が高いよ』
嬉しそうに国光部長は8人の営業マンと2人の事務員を前に並べて、部長席に立ったままで叫んでいた。
他の営業部は平均でも20人ほどの営業マンを抱えているが、たった8人という少人数のここ京都営業部が、全国のベスト5に入るというのは、まさに奇跡に近いものであった。
しかもトップセールス者を3年間も続けていたのである。
そう、それは大野知二という、優秀な営業マンが入社して来たからに他ならないのであった。
『大野君、わしは君のような有能な部下を持てて、実に幸せだよ』
その日の朝礼のあと、大野を部長室に呼んで、誇らしげに話しを続けた。
『いったい君は、どうしてそこまで売上を上げ続けていられるんだい?』
『わしもこの立場で20年以上になるが、君のような部下は始めてだよ』
『そのノウハウを教えてくれはしまいかね?』
『そして部内全員にそのノウハウを教育して欲しんだよ...』