『あらぁ~いらっしゃい古池先生、随分お久し振りですねぇ~』



小枝子の勤める“スナック青い鳥”に半年振りに現れた古池教授は、小枝子に案内されて一番奥の、左端に置いてある石油ストーブの横の席に腰掛けた。



『先生、ここのところずっといらっしゃらなかったですねぇ』


『お仕事がお忙しかったのですかぁ...』


小枝子は、この店で古池がキープしていた“ヨントリーのカナディアンクラブシェリーカクス”とグラスを用意しながら、古池の方も見ずに話し掛けていた。



『ん、そうだなぁ~暫く大学の研究室に寝泊りしていたからなぁ』


『先生、今日はなんだか嬉しそうなお顔ですけど、なにか良いことでもあったのですか?』



『そうかい...』


『そう見えるい?』


『実はな、これまでずっと研究していたものが、やっと完成しそうなんじゃ』



『へぇっ先生すごいっ!で、なにが完成するのぉ』古池の了解も得ずに、小枝子は自分の飲み物の、ストロベリージンスペシャルを勝手に用意しながら、古池に応待していた。



『わしはな、これで世の中の悩んでいる多くの人たちを救ってあげることが出来るのじゃよ...』