ほぉー♪ ほけキョ♩

キキキキキッー♬



朝の光が透きとおる 緑葉が茂った樹々の間の。

小石と土だけの細道を。

いつもの時間に 黄色い小型路線バスは走っていた。




"今日もいい天気だなぁ゛

大きな樹木の先をゆっくりと左にカーブして。

石灰の採石場跡前に 定刻どおりにバスは停まった。




小宮順二は 三国中央交通のバス運転手として。

この路線を担当し。

一日3往復、この山道を行き来するのが仕事だった。



プスッ スっ・・・

バスの自動扉が開いた。



『おばぁちゃん おはようございまぁす』

小宮が いつものようにマイクで挨拶した。