『おにぃちゃん! だから、私も連れてって!』
『アヤも海に行きたぁい!』
と言って、小学5年生の亜矢子が、裸足で玄関から飛び出して来た。
『ダメだ!』
『浩太と2人で行くんだから、アヤはお家に居な!』
『お前を連れて行くとオシッコ・・とか。喉が渇いたとかいろいろ煩いからダメだ』
『今日は浩太と大事な冒険なんだから、ダメだ!』
山の麓で育った守と浩太は、家から海までは50Km以上も離れているため、海を見るのは滅多にない事だったのである。
中学校は遠くて自転車でないと通えないこともあり。
自転車を買って貰ったら、海を見に冒険に行こう!と。
小学三年生の夏休みに2人は決めていた。
そしてこの日が、決行の大事な日であった。