遠くの方 から。
子供たちの遊ぶ声が、新緑の柔らかい風に乗って、この小高い丘の森にも流れていた。
その森に。
そばに寄ってみないとなかなか分からないくらいの、こんもり盛上っている腐葉土の葉っぱが、ゴソゴソと動いた。
腐葉土の下の方から何かの小さな幼虫らしきものが。。。 ゴソゴソ。
そう、この幼虫が今回の物語のメインキャストであるヌッサレ君であった。
『ぁあぁよく寝たなぁ』
ヌッサレは腐葉土から頭を出した。
『もうすぐ雨が降りそうだなぁ』
鼻の先がうっすらと湿っていたので、ヌッサレはもうすぐ雨が降るのを予感した。
その日の午後、たいそう大雨が降り。
その為、腐葉土のこんもり塚の右端辺りが大きく流れ落ちていた。
その崩れた腐葉土から、少し黒みがかった大きめの幼虫がズクズクと顔を出して来た。
ベボンゴだった。