興福寺中金堂再建記念特別展
運慶展
(UNKEI)
2017年9月26日(火)~11月26日(日)
東京国立博物館 平成館
2017年夏に
奈良・興福寺を訪れた際、
本堂が改修中で拝観できなかったのですが、
2017年8月27日撮影
その時の記事は、
写真の整理ができ次第UP(゚_゚i)
なんと、
その仏像さまたちが
東京にお集まりだということで(*゚ー゚*)
当日券一般¥1,600
会期中大変な賑わいで、
終盤の11/22には入場者が50万人超えたと発表も。
チケット購入に10~20分待ったり、
入場に10分~60分待ちになった日や時間帯も。
という情報が出ていたので、
夜に訪問することに。
ライトアップされた本館。
前の池に鏡のように映る。
ライトアップされた表慶館
本館前の池に映る表慶館
本館前から見た表慶館
興福寺
中金堂再建記念特別展
「運慶」
東京国立博物館 平成館 特別展示室
2017年9月26日(火) ~ 2017年11月26日(日)
日本で最も著名な仏師・運慶。
卓越した造形力で生きているかのような
現実感に富んだ仏像を生み出し、
輝かしい彫刻の時代をリード。
本展は、運慶とゆかりの深い興福寺をはじめ
各地から名品を集めて、
その生涯の事績を通覧。
さらに運慶の父・康慶、実子・湛慶、康弁ら
親子3代の作品を揃え、
運慶の作風の樹立から次代の継承までをたどる。
会場内図 ※パンフレットを一部加工
上図中☆の展示室は、
今回の運慶展で個人的に良かったと思うエリア。
ここには下表の☆印の仏像が。
重要文化財の
四天王像と
法相六祖坐像という
運慶のお父さん
康慶作の仏像がありました。
仏像の彫りの深さやち密さ、
それぞれの表情など
個人的には運慶作よりも印象的でした。
出展物を表にまとめてみました。
全37項目の展示のうち
国宝=12展示
全72仏像のうち
運慶作は17軀(く)で24%
康慶作は11軀で15%
運慶の子たちの作品は9軀で13%
合わせて約51%が
運慶とその父と子の仏像たちでした。
感じたことは・・・
①博物館の特別展だからできる
一箇所でたくさんの仏像が見れた!
運慶作の仏像が全体の3割もありませんでしたが、
それでも、国内のあちこちに散らばっている仏像たちを
一箇所で観ることができたことは、貴重でした。
②お父さん作の方がイイ!
個人的には・・・
運慶のお父さん、康慶作の仏像が良かった。
康慶作の仏像に出逢えたことは、
最大の収穫でした。
③仏像は・・・
置かれている場所にも意味がある。
それぞれの寺で見るのがイイ!と
改めて実感。
その土地その土地の空気感だったり
本堂の中の凛とした空気とお香の香り
そして、その中で
静かに仏像と正対面するのが
やっぱりいいなぁと。
④新たなほっつき場所の発掘
とはいえ、
また新しい発見(行ってみたいお寺とか)があったので
そこも大きな収穫(*゚ー゚*)
なお、
運慶展はすべてのエリアで撮影不可につき、
画像は無し。
運慶展を開催していた平成館のお隣
東京国立博物館の
本館の常設展では
一部の作品を除き、
撮影がOKだというので
せっかくなので仏像を中心に観て回る。
以降の画像はすべて、
本館・常設展で撮影可のモノの一部。
重要文化財
菩薩立像
木造、金泥塗・彩色・裁金、玉眼、唇に水晶
鎌倉時代・13世紀
正式な名称は不明だが、
弥勒菩薩と考えられている。
眼や唇に水晶を嵌めることで、
生々しさを醸しているのが特色。
肌に金粉を膠(にかわ)で溶いた
金泥(きんでい)を施していて
仏に現実感を与える工夫をしているとのこと。
地蔵菩薩立像
木造、彩色・裁金、玉眼
鎌倉時代・13世紀
和服のように襟を合わせた衣を着ける姿は、
親しみやすく、現実感をもたせる工夫として流行したそうです。
地獄を巡って人々を救済する地蔵菩薩にふさわしい表現。
重要文化財
文殊菩薩坐像
康円作(1207~?)
木造、彩色、玉眼
鎌倉時代・文永10年(1273年)
興福寺伝来
獅子に乗る文殊菩薩が、
4人の従者を伴って海を渡る
「渡海文殊」を構成。
奈良・興福寺勧学院の本尊。
金粉ではなく、金泥(きんでい)を使い
温かく現実味のある表現。
重要文化財
大聖老人立像(だいしょうろうじんりつぞう)
康円作(1207~?)
木造、彩色、玉眼
鎌倉時代・文永10年(1273年)
興福寺伝来
頭巾を被る、老人の姿の像。
文殊の化身で、
インド人僧の仏陀波利(ぶっだはり)を、
自身の聖地である中国・五台山に導く役割。
とても精巧で、
まるで動きだしそうな
語りだしそうな。
とっても小さな装飾
妙見菩薩・摩利支天図目貫
上の「目貫」とは、
刀の柄(つか)の部分の装飾のこと。
いかに精巧かがわかる。
重要文化財
金銅聖観音懸仏
(こんどうしょうかんのんかけぼとけ)
銅製
鎌倉時代・建治元年(1275年)
懸け仏は御正体(みしょうたい)ともいい、
銅板と呼ばれる円形板に
立体的に造った神仏像を取り付け、
懸けられるようにしたもの。
自在龍置物
明珍宗察(1682~1751年)作
大型の龍で、細部まで精巧に作られている。
胴は蛇のようにくねくねと
動かすことが出来るとのこと。
脚、爪も自由自在に動かせるとのこと。
顎に正徳3年(1713年)の年号と、
明珍宗察が作ったことが
記されているとのこと。
年号を記したものでは最も古く
最優品だそうです。
重要文化財
阿弥陀如来坐像
木造、漆箔
平安時代・久安3年(1147年)
京都・長楽寺伝来
阿弥陀如来坐像
木造、漆箔、玉眼
鎌倉時代・12~13世紀
静岡・願生寺
静岡県裾野市の
願生寺(がんしょうじ)に伝来した、
来迎印を結ぶ阿弥陀如来像。
たっぷりした肉付きなどの技法などが
運慶の作品に通ずるとのこと。
鎌倉時代初頭に活躍した
運慶周辺の仏師の作とみられ、
有力な武士の発願に
かかるものだろうとのこと。
毘沙門天立像
木造、彩色・漆箔・裁金、玉眼
平安時代・12世紀
毘沙門天は四天王のうちの多聞天のこと。
最も強く、仏法、王城を守る武神。
同時に福徳神の性格も備えており、
室町時代は招福と貧乏退治の神として
信仰が盛んになって、
七福神に加えられたとのこと。
両腕に顔が。
左腕と
右腕に。
仏像ではありませんが、
目を引いたので。
重要文化財
ハート型土偶
群馬県東吾妻町郷原出土
縄文時代(後期)紀元前2000~前1000年
土中の石囲いの中に横に
寝かされた状態で発見されたという。
ディフォルメされた顔や体の表現と
渦巻文を中心とした文様の表現が組み合わさった
ハート形土偶の中では優品だそうです。
以上。
撮影不可のものは、
じっくりと目に焼き付けて。
撮影可能な展示物は
気になったものや気に入ったものを
記録に残すなど
晩秋の休日の一日を、
博物館めぐりで愉しみましたとさ。
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