■取り戻したい豊穣な空間 (亜空間Ⅱ)
最古の住宅(竪穴式住居)の屋根の下は全部土間でした。内部が機能分化するにつれて、板や畳が敷かれ、カーペットやシートなどの石油製品も使われるようになり居住しやすい部屋ができる様になりました。
民家や京町屋など生活に多様性が求められる住まいにのみ、その多様性を受け止める空間として土間が残されています。
現代の都市住宅には土間が消失してしまいました。はたして機能的な部分だけを集めれば(マンションがその最たるもの)快適な住まいができるのでしょうか?
土間の空間としての性格は曖昧で混沌としています。非合理的で生命力に溢れてもいます。だからこそ今の町屋に最も大切なものかもしれません。
広さ・位置・仕上を工夫してぜひ復活させたいものだと思います。