2017年現在、世の中には所謂スクリーモというジャンルに位置するバンドで溢れ返ってる。
今回はそんなスクリーモバンドについて少し語っていきたい。


2000年代初頭にThe UsedやFinchが出てきた時は、歌のメインはクリーンボイスであって、あくまでスクリームは曲の緩急をつけたり、ここぞというところで感情を爆発させるところにスクリームをしていた。

それこそがスクリーモと呼ばれるバンドたちの特徴であり、当時は新鮮でとてつもない個性を光らせていた。

現に上記の2バンドはとてつもない個性を持った素晴らしいバンドだと思う。


それが2000年代中盤になると、6人以上の体制のバンドが出現。シャウトやグロウル、スクリーム専門のボーカルに、クリーンパートは別のメンバーが担当するようになる。

スクリームパートとクリーンパートの比率もいつしか逆転をし、クリーンパートはサビのみということも珍しくなくなった。

いつしかそのような体制が普通となり、無個性なバンドが次々にデビュー、2017年現在に至るまでこの同じようなスクリーモバンドが溢れ返ることとなる。

そのあとピコリーモなるものが出てくるのだが、それはまた別途紹介するとして...


今回はその6人体制スクリーモが現れ始めた時に、強烈な名盤を残してくれたバンドを紹介したい。






なんというジャケットなんだ...

人によっては少し怖く感じるだろう。
ただジャケットから見るに名盤の予感しかしない...

さて、この不気味な謎のアルバムについて語っていきたい。

このアルバムはUnderoathのThey're Only Chasing Safety。
スクリーモの名盤であり、彼らの大出世作である。

この作品が出るまで3枚のアルバムを出していた彼らだが、やってることも全然違うし、そもそもメンバーが総入れ替えしてるような状態なので、過去の作品との比較が難しい。

だが、そのメンバーチェンジがあってなのか、とんでもない名盤をリリースすることとなったのだ。






恐らく彼らの代表曲のひとつで、人気も高い曲だろう。
彼らの曲の中でもかなりシンプルな曲だと思うのだが、このシンプルさが良い。そして単純にかっこいい。
スクリーモのお手本みたいな曲だが、逆にこの手の曲って少ない気がする。だから彼らにしかできないような曲なんじゃないかって思う。

ちなみにクリーンパートはドラムのアーロンさんがやってる。一時期パラモアのサポートもやってたよ。

ドラムのクリーンパートって結構珍しい気がする。この手のバンドってドラムの手数がやたら多い気がするしな。




曲名長いし、よく意味はわからないけれど、PVの雰囲気も相まって最高にかっこいい曲。
雪の中でのPVが曲と最高に合致するね。

ボーカルのスペンサーさんの攻撃的なパートからの、サビのアーロンさんの天使のようなクリーンパートが完成され過ぎていますが、この曲の特徴は何と言っても曲展開。

まず序盤のキーボードの電子音をバックに叫びまくるパート。
その後何もない雪原を彷彿とさせるキーボードパートから、天使のようなアーロンの歌声。ライブでファンは大合唱するパートだ。

曲の終盤には教会のゴスペルをイメージするような、シンガロングパートがあるのだが、これは敬虔なクリスチャンである彼らだからなのだろうか。

目まぐるしく変わる曲展開で一見リスナーを置いてきぼりにしてそうに思えるが、無駄なパートなどなく、本当に完成された名曲である。



今回は2曲のみの紹介となるが、この2曲を軸に素晴らしいアルバムになっている。是非聞いてみてほしい。

現在のスクリーモバンドはUnderoathの影響を受けているバンドは多いはず。
Underoathはこのアルバムで現在のメタルコア寄りになりつつあるスクリーモの形を形成してしまったのだ。

このアルバムの次のアルバムではビルボード2位を記録したモンスターアルバムを発売することになるが、それに関してはまた別の機会で紹介をしたい。