私が収容されていたW刑務所には、歯科があったのですが受診するまで数か月待ちです。

こんな事を書いたら失礼かもしれませんが、治療はかなり雑です。

さらにお金がない人は受診しても抜歯しかできませんでした。

税金で賄われているので、もちろん贅沢は言えません。

 

なので虫歯だけには、なりたくないと思い歯磨きは、かなり念入りにしていました。

しかし、刑務所に収容されてもうすぐ3年目を迎える時に左の奥歯が痛くなりました。

奥歯を見ると少し黒くなっています。

何かついているだけなら良いと思い歯ブラシで必死に何度も擦ったのですが取れません。

その頃は、悩まされていた自律神経からくる吐き気がマシになっていた時期です。

少しずつ食べられるようになっていた時だったのでショックでした。

しかも、同室の女子受刑者から、ここでの歯の治療は痛いと聞いたので歯の治療をするのは気が進みませんでした。

 

でも、歯痛の影響で頭痛まで感じるようになってしまったので願箋を提出しました。

願箋を提出しても治療を受けれるまで最低でも2か月待たなければいけません。

その間、時々来る歯痛と頭痛は我慢していました。

 

そして、2か月以上待ちようやく診て貰える事になり歯科を受診しました。

抜歯をされると思っていたのですが、歯石取りの器具で奥歯をガリガリされ「虫歯ではない」とあっさり言われてしまいました。

黒くなっている事を伝えても「何か挟まっているだけ」と言われ強制終了です。

受診した後は、奥歯を何度もガリガリとされている時に器具が歯茎に当たったみたいで血も出て痛かったです。

だけど「虫歯じゃなくて良かった。私の勘違いだった」とその時は、ホッとして歯が黒くなったのも気のせいだと安心していました。

 

その後も歯痛と頭痛があったのですが、刑務所を出所するまで特に気に留める事はなかったです。

それに治療を受けた女子受刑者によって感じ方は様々かもしれませんが、W刑務所で受けた歯科治療は痛くて歯医者が苦手になりました。

ですが、出所しても定期的に歯痛と頭痛があり鎮痛剤を頻繁に飲むようにもなったのでダメ元で近くの歯医者へ行きました。

レントゲンを撮って貰うとずっと痛かった左の奥歯に少しヒビが入っていて虫歯にもなっていました。

また、奥歯以外にも虫歯になっている所が多く見つかりました。

刑務所にいる間は、甘いものも自由に食べれませんし歯もしっかり磨いていたので虫歯ができるとは思わなかったです。

 

治療をして頂いた先生に聞くとストレスから虫歯ができる事もあるようです。

歯は大事にしなきゃと改めて思った出来事でした。