ご存じの方が殆どだと思いますが、刑務所には優遇区分というものがあります。

簡単に説明をすると、優遇区分の一番下は5類で最も上は1類です。

また、受刑者それぞれに称呼番号が付けられていますが、その番号で刑期や罪名、累犯なども分かるようになっています。

つまり受刑者にもランクというものがあるのです。

 

拘置所で刑が確定し受刑者になった時点で5類、その後、無事故・無違反が6か月続くと3類になります。

私も、実刑が確定して受刑者となってから半年以上が経ち、ようやく3類になる事ができました。

刑務所に移送されてから理不尽な事もありましたが、3類になった時は嬉しかったです。

受刑者なのに嬉しかったなどと書いてしまいすみません。

 

なぜ嬉しいのかと言うと、3類になると面会が1ケ月2回→3回、手紙の発信が1ケ月4通→5通に増えるからです。

また、月1回のみお菓子とドリンクを購入でき15分間、大食堂で食べる事が許可されます。

しかし、食べられるといっても黙って食べなければいけません。

 

優遇区分の見直しは、半年に1回(4月と10月)にあります。

※4月~9月の結果が10月・ 10月から翌年3月の結果が4月です。

見直しの度に優遇区分が落ちる人と上がる人がいるので見直しが発表される前日は、受刑者同士その話で持ちきりでした。

 

移送されたW刑務所では、お菓子とドリンクがAとB、2セットになっていて好きな方を選んで購入できます。

逮捕される前は、それほど美味しいとは思わなかったお菓子も刑務所で食べるとビックリするほど美味しく感じられました。

なぜなら、3類になるまでお菓子を食べられたのは祝日と年末年始・誕生日だけだったからです。

 

半年ぶりに食べたお菓子は、15分間の沈黙の中でしたが味わって食べました。

その時に食べたチョコクッキーの味は忘れられません。

 

また3類に上がった事で手紙の発信数も増えたのですが特に子供のいる女子受刑者は喜んでいました。

私は、母と父・祖父母に向けて手紙を出していました。

返ってくるのは、母と祖母からでしたが手紙がくると何度も読み返し夜にこっそり泣いていました。

お菓子も嬉しかったですが、手紙ほど嬉しいものや励ましになるものはなかったです。