私がW刑務所に移送されたのは、8月の暑い時期でした。
それに拘置所の時の記事にも書きましたが、私が刑務所に移送されたのは記録的な猛暑が続いた年です。
移送された刑務所には、拘置所に引き続き職員の部屋以外、冷暖房はありません。
小さい扇風機(夜のみ使用可)が一つあるだけです。
なので夏場は、汗がびっしょり作業着や部屋着にくっつき気持ち悪かったです。
自由に拭いたり扇ぐことは、許されていなかったので、汗が流れてもただ我慢するだけでした。
そのせいか、服役中の夏は常に汗疹に苦しめられました。
その上、入れられた雑居部屋は、6人の場所に8人という人数だったので布団を常に重ね合わせている状態です。
さらに新入りの私が寝る場所は、トイレの横だったので汗とトイレの臭いがセットになり臭くてなかなか眠れなかったです。
眠ろうとしても、どうしても臭いが気になってしまいました。
その代わりお風呂は、夏の期間だけ週2日から週3日に増えます。
その上、汗疹対策として、湯船にはバスクリンが入れられていました。
バスクリンの香りは好きだったので嬉しかったのですが、汗疹には、あまり効果はありません。
また、お風呂の無い日は、水タオルで5分程度のみ拭くのが許されていました。
※お金のある女子受刑者は、汗疹対策のベビーパウダーを購入する事ができます。
6回刑務所に入っている同室のTさんには、「汗疹は秋まで待てば治る」と言われました。
秋になったら本当に自然治癒しましたが、今度は寒さとの戦いでした。
でも、夏と冬どっちがマシかと聞かれると難しいですが、夏の刑務所の方が蒸し風呂状態で私的には、とても辛かったです。
しかし、夏になるとアイスやスイカなど冷たいデザートが時々出ます。
それだけは、私を含め多くの受刑者が楽しみにしていました。
後、新しい雑居部屋に移ってから暫くして母から手紙が届きました。
もう、8月も終わりに近づいていましたが七夕の絵柄が書いた便箋に
「(私)ちゃんが健康で元気に過ごせますように」
とだけ書かれていました。
母は、文章をあまり書かないタイプで手紙もこの時、初めて貰いました。
たった一言だけでしたが、ツライ時期だったので手紙を見て夜中にこっそり泣きました。
”死にたい”と思う度に母の手紙が支えになりました。
それと同時に、私がこんなに親不孝な事をしてしまっているのに見捨てずにいてくれたのが申し訳なく有難かったです。