正式に工場が決まると共に新しい雑居部屋に移されました。

新人教育の時と同じで、6人部屋に女子受刑者8人とかなり狭いです。

それに新人教育の時の雑居部屋とは違い上下関係も厳しかったです。

 

私が入れられた雑居部屋は、累犯の方が多く6回刑務所に来ている人もいました。

薬で入った方が半分で残りは私を含め別の罪でした。

 

女子刑務所の人間関係は男性の刑務所よりもややこしいです。

受刑者の間でもカーストがあり、序列は部屋に入った順で決まります。

 

新入り受刑者は、序列が一番下で扱いも雑です。

「べべ 」と言ってくる受刑者もいました。

べべとは、近畿地方の方言で”最下位”という意味です。

 

しかし全員が怖いのではなく、優しい受刑者の方も2人いました。

だけど他の受刑者6人は、外の世界でヤンチャをしていたようで結構怖かったです。

 

1日目は「あんたは何年持ってきたんや?」「タメでええで」などと気さくに話してくれる人が多く安心していました。

ですが、気さくに話してくれたのは初めのうちでした。

 

新入り受刑者は、とにかく毎日トイレ掃除をさせられます。

驚かれるかもしれませんがトイレ掃除は”素手”で行うよう言われました。

※雑巾があるのですが・・

先輩受刑者が監視しているので、少しでも手を抜いたりしたら「おい、コラ。まだ汚れとうやろうが」と怒られます。

※関西の女子刑務所なので言葉が少しキツイです。

言われた後は、「すみません!」と謝り急いで再び掃除をします。

少しでもオロオロしていると「ちゃっちゃとやれ」と急かされました。

特に私より1歳年上のYさんや2歳年下のNさんは、厳しかったです。

 

また、細かいルールも多いです。

トイレに入る前に大きい方をする時は、和式で臭うので事前に申告しなくていけません。

「今から大をしますが、小はいませんか?」と聞きます。

トイレにいる時間が少しでも長いと「どんだけ、でかい●しよるねん!」と嫌味を言われます。

※汚い話ですみません・・

 

布団も新入りは一番狭い場所でトイレの横でした。

少しでも広く使うと怒られます。

もし場所取りで喧嘩をすると懲罰になります。

実際に懲罰になっている受刑者もよくいました。

 

他にも色んな理不尽な事が数えきれないくらいあったのですが、ひたすら我慢我慢我慢・・です。

 

しかし、どんなに卑劣なイジメをする受刑者でも先生の前では、凄く良い人になります。

生活態度が良く先生に気に入られると評価されるからです。

 

よく私をイジメてきたYさんやNさんも先生の前では性格が変わり気に入られていました。

私が生理になった時に嫌がらせ?なのか支給されたナプキンを勝手に使われてしまいました。

先生になくなった事を伝えたのですが、2人は懲罰にはならず私が逆に嘘を付いていると思われこっぴどく怒られました。

 

そんな中、私より1年前に移送された同室のAさんとは仲良くなりました。

Aさんは、薬で服役しており私よりも年下で20代前半でした。

大人しい性格のAさんも気が弱くボス格の受刑者に嫌がらせをされる事が多く夜になるとよく泣いていました。

先生もAさんに厳しく当たる事が多かったです。

直接、助ける事は出来なかったのですが、よく「大丈夫?」と聞きこっそり励ましていました。

薬も断り切れずやってしまったそうです。

仲良くなったものの、私が服役してから半年後の春には出所してしまったので今はどうしているのか分かりません。

まだ、20代前半だったAさんが現在は立ち直り幸せに暮らしている事を心から願っています。