魔法使いを探せ・探偵ぜんの冒険
第3話「図書室のひみつとまほうの本」


図書室は、しずかでした。
本たちは、まるでねむっているように、ならんでいます。
ぜんは、黒いねこのあとをついて、そっと中に入りました。
ねこは、ある本だなのまえで止まりました。
そして、ぴょんととびのって、一さつの本を見つめました。
それは、古くて、金色のもようがついた本でした。
タイトルは――『まほうのしるしとそのつかいかた』
「これが、まほうつかいの本……?」
ぜんがページをめくると、ふしぎな絵と、なぞの言葉がかかれていました。

しるしを見つけよ。
しるしは、三つ。
ひとつめは、火のそばに。
ふたつめは、水の中。
みっつめは、風の上。

「火、水、風……。これは、なぞなぞだ!」

ぜんは、手紙と本をかかえて、図書室を出ました。
黒いねこは、またにゃあとないて、校庭のほうへ走っていきます。

校庭のすみにある、たき火のあと。
プールのすいめん。
そして、校舎の屋上にある風見どり。
ぜんは、ひとつずつ、しるしをさがしていきました。
たき火のあとには、小さな赤い石。
プールの中には、青いビー玉。
風見どりの下には、白い羽。
「これが、三つのしるし……!」
ぜんが三つを手にもつと、石とビー玉と羽が、すこしだけ光りました。
そして、ポケットの中の手紙が、ふわりとういて、こう書きかわりました。

よく見つけたな、たんていぜん。
つぎのなぞは、音楽室にある。
まほうつかいは、うたっている。

ぜんは、黒いねこといっしょに、音楽室へと走り出しました。
まほうつかいに、すこしずつ近づいている気がしました。

 

魔法使いを探せ・探偵ぜんの冒険
第2話「ふしぎな手紙と黒いねこ」

あるあさのこと。
ぜんがランドセルをせおって、げんかんを出ようとしたとき――
ポストに、ふしぎな手紙が入っていました。
「だれからだろう?」
ぜんは、そっと手紙をひらきました。
そこには、まるい字で、こうかかれていました。

まほうつかいは、きのうのよる、学校にあらわれた。
しるしは、黒いねこ。
さがせ、たんていぜん。

「えっ……!」
ぜんの心が、どきんとしました。
まほうつかい? 黒いねこ? 学校に?
「これは、ぼくへのちょうせんじょうだ!」
ぜんは、目をかがやかせて、学校へと走り出しました。

学校につくと、ぜんは、こっそりと校庭を見まわしました。
花だんのすみに、黒いかげが見えました。
「……ねこ?」
ちいさな黒いねこが、じっとぜんを見つめていました。
そして、くるりとふりむいて、校舎のうらへと走っていきます。
「まって!」
ぜんは、ねこのあとをおいかけました。

校舎のうらには、つかっていない古い物おき小屋がありました。
黒いねこは、そのドアのまえでぴたりと止まりました。
「ここに、なにかあるのか……?」
ぜんがドアをあけると――
中には、ふしぎなつぼと、キラキラひかる石がならんでいました。
そして、つぼのそばには、また手紙が。

つぎのなぞは、図書室にある。
まほうつかいは、きみを見ている。

「……これは、ただのいたずらじゃないぞ。」
ぜんは、手紙をポケットにしまい、黒いねこを見ました。
ねこは、にゃあ、と小さくないて、図書室のほうへ歩きだしました。
「まってて、まほうつかい。ぼくが、きみを見つける!」
ぜんのぼうけんは、まだまだつづきます――。

 

魔法使いを探せ・探偵ぜんの冒険
第1話「消えた黒板の文字」

 

ある朝のこと。
ぜんが教室に入ると、みんながざわざわしていました。
「どうしたの?」とぜんが聞くと、友だちのゆうとが言いました。
「黒板の文字が、ぜんぶ消えてるんだ!」
ぜんは、前に出て黒板を見ました。
ほんとうに、先生が書いたはずの字が、きれいさっぱり消えています。
「先生が書いた『今日のめあて』も、『お知らせ』も、ぜんぶない!」
先生もびっくりして、首をかしげました。
「たしかに、きのうの帰りに書いたのに……」
ぜんは、目を細めて黒板をじっと見ました。
そして、ポケットから小さなメモ帳を出しました。
「これは、たんていぜんの出番だ!」

ぜんは、教室の中をしらべはじめました。
黒板けし、チョーク、ぞうきん、そして窓の外。
すると、黒板のすみに、小さな白いこなを見つけました。
「これは……チョークのこな?」
ぜんは、こなを指でさわって、においをかぎました。
すこしだけ、ミントのようなにおいがします。
「チョークに、なにかまざってる……?」
そのとき、教室のすみで、黒いねこがぴょんととび出しました。
ねこは、ぜんの足もとをくるりとまわって、にゃあとないて、廊下へ走っていきます。
「まって!」
ぜんは、ねこのあとをおいかけました。

廊下のすみに、小さな紙が落ちていました。
ぜんがひろって見ると、そこにはふしぎな文字が。

まほうつかいは、夜にあらわれる。
黒板の文字は、まほうでけされた。
しるしは、黒いねこ。


「まほうつかい……?」
ぜんは、紙をポケットにしまいました。
そして、黒いねこが曲がった先を見つめました。
「ぼくが、まほうつかいを見つける!」
ぜんのぼうけんが、はじまりました――。