トルコのイスタンブールにある、ボスポラス海峡の海底鉄道トンネルが本日開通式を迎えます。
このトンネルは、トルコのヨーロッパ側とアジア側の鉄道を結ぶマルマライ・プロジェクトと呼ばれる事業の中核をなすもので、海底に沈埋されたトンネルの延長は1,387m。日本の大成建設を中心とするJVが建設を担いました。資金は日本の国際協力銀行JBICの円借款です。
本日現地時間15時からÜsküdarユスキュダルで行われる開通式にはERDOĞANエルドアン首相とともに安倍首相も出席する予定ですね。
マルマライ・プロジェクトとして開通する路線は、イスタンブール・Sirkeciスィルケジ駅から西側に延びるTCDDトルコ国鉄の現有路線上にあるKazlıçeşmeカズルチェシュメ(スィルケジ起点19.240km)駅のやや東側(スィルケジ方)から分岐し、イスタンブール市街地の地下をシールドトンネルを掘って徐々に降下、スィルケジ駅直下に地下駅を設け、ボスポラス海峡の西端で地下60mに達して前述の海底沈埋トンネルに接続、海峡を横断した後Üsküdarユスキュダルからまたシールドトンネルになり、ハイダルパシャ駅の東側で地上に出てAyrılıkçeşmeアイルルクチェシュメ駅を設け、そのすぐ南で現有路線に合流しソユトリチェシュメSöğütlüçeşme駅に至る、13.5kmの路線です。
上に貼付けたマルマライプロジェクト図で路線のイメージが掴めると思います。工事の概要をもっと知りたい方は、2011年2月にトンネルが貫通した際に大成建設が出したプレスリリースに詳しいのでリンクしておきます。もっと詳しく知りたい方は
土木学会岩盤力学委員会ニューズレターNo.7に掲載の『ボスポラス海峡横断鉄道建設工事』がPDFで公開されていますので参照ください。なお、これらの文中の駅名は、トルコ語の ı を「イ」音でカタカナ化していますので、このブログの駅名と若干表記が異なります。また、上記PDFには掲載されていないアイルルクチェシュメは建設中の駅ホームがwikimapiaなど衛星画像で確認でき、2012年8月19日付けのこのブログ
イズミール~コンヤに夜行列車登場ほかトルコ鉄道2題
で開通をお伝えしたKadıköyカドゥキョイ~Kartalカルタル間の地下鉄4号線に乗り換えることができるようです。参考:イスタンブールメトロ地図
残念ながら、トルコ高速鉄道YHTのイスタンブール乗り入れは、2013年9月14日付けのこのブログ
YHTイスタンブール線のボディカラー投票
でお伝えしたように、本日の開通には間に合いません。