エジプトのローカル線を紹介したついでに、鉄っちゃんでなくとも都市間の移動手段として利用できる路線をガイドしましょう。今回はカイロ~السويسスエズです。
スエズ運河の南の入口スエズは、シナイ半島への足掛かりとして、またハルガダを通ってルクソールなど上エジプトへとつながるバス路線のゲートとして、交通の要衝にあります。カイロ~スエズのバスはトルゴマーン・ターミナルやアッバーセイヤ、マアザといった小さなターミナルから頻発していますが、鉄道もあるのです。列車はラムセス駅からではなく、Margマルグ行きの地下鉄をラムセス駅から15分ほど乗ったところにあるعين شمشアイン・シャムス駅の発着。定刻だとスエズまで2時間ちょいですが、実際に乗ったところ到着は30分遅れでした。3時間弱と見ておいた方がいいですね。
2008年の時刻表では
カイロ発 06:30 09:30 13:10 16:15 18:45 21:45
スエズ着 08:45 11:35 15:30 18:30 21:00 24:00
スエズ発 05:45 10:00 13:05 15:45 19:00 21:30
カイロ着 08:00 12:15 15:35 18:00 21:15 22:50
となっています。その後若干の時間調整はあるでしょう。モトゥラなので運賃は3等より高く、2.5LEでした(2008年)。
ぼろぼろのアイン・シャムス駅を出ると、カイロ空港北側に沿ってまっすぐ東へ進むのですが、沿線は右の写真のようなスラム街。貧民街として知られるムカッタムの丘も今は高級住宅地化が進んでいるので、もしかしたら、カイロ市内で唯一ではないでしょうか。ちなみにスエズ行きの列車は15キロ先のالعبورアルアブールまでは途中駅5つを無停車で走ります。この5駅には1日1本だけ、アルアブール~アイン・シャムスの区間列車が停車するだけです。
アルアブールを出ると、列車はなにもない沙漠の中をひたすら走ります。デルタ地帯といってもこの路線の沿線にナイル川の水は来ませんので、車窓は写真のとおり。たいした集落もなく、列車交換のために設けられた駅にいくつか停まると、もうスエズです。
なお、現在のエジプト国鉄HPではスエズは検索できませんが、かつては可能で、その場合ラムセス駅発スエズ行きは1本と出ていたのですが、これはカイロを出るとالزقازيقザアズィー、الإسماعيليةイスマエレーヤと、台形で言えば下底で行けるところを上底経由でいくようなものですから、カイロ発5:00にしてスエズ着は9:50と、途方もなく遠回りな列車(593レ)です。相方の594レはスエズ発15:35発でカイロ着20:25となっています(いずれも2008年夏ダイヤ)