ワディ・ラム砂漠ツアー 乗り物を選ぼう | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

いざ、ラム砂漠へ
アーディで行こう-ラム村から沙漠


アーディで行こう-ラム村 ラクダ乗り物を選ぼう ラクダ
乗り物は、ラクダかジープが一般的。ラクダはラム村の入口、レストハウスの前で優雅に遊んでいるのが目に入ります。ここでも観光客に声をかけてくるラクダ引きがいますので交渉することができます。ビジターセンターの公定価格だと、1頭1日30JD(2009年6月時点)です。同じ値段で1頭に2人乗ることもできます。
砂漠内に点在するキャンプでもラクダツアーをやっていますが、そのほとんどはキャンプ周辺にラクダを用意しているわけではなく、ここにいるラクダを借りてツアーを行います。ですので、ラクダに乗りたい人は、キャンプへ行く前にオーナーと交渉しましょう。そうすれば、キャンプ側も用意しやすいです。
なお、ワディ・ラムだけでなく、全ヨルダンのラクダにはいわゆる「野ラクダ」はおらず、必ず飼い主がいます。まあラクダから数キロ離れていることも多いんですが。

ラクダは足が遅いので、日程には余裕を持ちましょう。ラム最奥部のジャバル・ブルダアや、ウンム・フルースの石の自然橋あたりまでになると、2日かかり(どこかで宿泊)となるくらいの足です。

ラクダはアラビア語でジャマル。綴りはجملです。下エジプト方言(カイロなど)ではجの発音がガと訛るのでガマルとなります。エジプトのムバーラク大統領の息子にして、後継者と目されているガマール氏جمال مباركの名前も、ラクダが語源なんでしょうかね。そういや、アラビア標準語での放送が原則となっている衛星テレビ・アルジャジーラで彼の名前を呼ぶときはどうしてるんでしょう。固有名詞だからガマールと呼んでるんでしょうかね。ま、カイロスタジオのエジプト人だけはいつもバリバリのカイロ方言でレポートして本局のアンカーからたしなめられたりしてます。しかも話が長く、アンカーの指示を無視してしゃべくりまくってそっちでも怒られていますね。「ヤーニー」も連発してるし、ほんと、エジプト人は見ていて楽しいです。

ちなみにロバを意味するアラビア語ヒマールحمارは男性に対する蔑称(頭が悪いといった感じ)ですので、気をつけましょう。ロバ自体はとっても重宝するヤツらなのに、これじゃ、ロバがかわいそうです。

ジープ
アーディで行こう-ラム村ジープアーディで行こう-ラム ダットサンアーディで行こう-ラム ダットサンスタック実際に観光客がよく使うのはジープツアーでしょう。ときどきヨーロッパ人が、自分の乗用車でそのまま砂漠に入れないかとラム村で考えていますが、かなり腕がよくって、しかも埋まりやすいポイントを頭に叩き込んでいるのでない限り、乗用車では必ず砂でスタックします。
ラム村のジープはうす緑色に塗られたトヨタのランクル40か70で統一されています(右上の写真)。車体の後ろはピックアップトラックのように荷台になっており、そこに椅子と日除けの屋根が備えられています。右の車両は冬なので日除けを外していますね。側面には通しで車体登録番号シールが貼られており、これらの車両がラム保護区の公費で揃えられていることがわかります。

キャンプのオーナーによっては、自前の4WD車を所有して観光客用の送迎やツアーに使っているところもあります。オーナーの車はたいてい、12月14日付けの記事中ラム村の写真に写っているような古いランクル80ですね。それ以外に、2輪駆動の一般的なピックアップトラックでツアーをする場合もあります(右中写真) こっちの方が開放感がありますが、その分スリルも。そして、スタックするのもお約束です(右下写真)

こういった2輪駆動のピックアップトラック、ヨルダンではあちこちで見られます。日本でいえばさしずめ農村の軽トラといった感じの人気です。最も多いのがトヨタと日産。最近はイスズのごつくてデカイピックアップ、アメリカで走っているようなヤツ、あれも町に住んでいるハイソを中心にちょっとづつ見かけるようになりました。日本で街の人が高級四駆を買うような感覚ですかね。でも彼らは一歩町を出ると、本当に荒野ですから... 

ワディ・ラムではなぜか全ての車がトヨタになっています。信頼されているのか、部品の調達が楽なのかわかりませんが、たしかに砂漠の中で故障すると、時には命に関わりますので... でも彼らは今や必ず1.5ℓのミネラルウォーターペットボトルを持っていますが。

ウマ حصان(ヒサーン)
アーディで行こう-ラムの馬数は少ないですけど、馬でトレッキングしている人も見ます。こちらは公定価格がないので、キャンプオーナーなどのオリジナルツアーなんでしょうけど、ロレンスの気分に浸るにはちょうどいいかも。

ロレンスといえばヒジャーズ鉄道の爆破攻撃シーンが有名ですが、その鉄道はラムから東に直線距離で50キロばかりも離れています。ロレンスの攻撃後は復旧されることなく放棄されており、2008年に現地を見に行ってみたらレールも剥がされていました。12/15日付で写真を載せたアカバ鉄道はヒジャーズ鉄道の途中から分岐する形で1970年代に貨物用に建設された新しい線で、これを攻撃していたわけではありません。

ヨーロッパ人の中には、ラムから遥か遠くそのヒジャーズ鉄道沿線(マアーンの南側)までラクダツアーで「出撃」する人も出てきているようですが、さすがに日本人でやったという人は聞いたことがありません。4泊5日とかのリビア・ムルズク沙漠ツアー並みですね。どうです?