アンマン~ダマスカス間5.45JD! 乗り継ぎで行く最安ルート | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

ヨルダン~シリア国境は乗り継いでも越えられる

過去2回はアンマン~ダマスカス間を直行するセルビスとバスについてご紹介しましたが、ほかにも国境を挟んだ区間だけを走るセルビスがあって、国内線バスやセルビスと組み合わせ、乗継いで国境を越えると、直行バスやセルビスより安く移動することができます。
また、ヨルダン北部にはジェラシュやウンム・カイスなどの遺跡群があり、シリア南部には世界最大級のローマ劇場があるボスラがあります。これらに寄ったあと、首都に戻らずに国境を越えることが可能です。
(現地の状況、運賃は特に断らない限り2009年6月時点のものです)

ラムサ~ダラア国境 الحدود بين الرمثا ودرعا
乗継いで国境を越える場合、メーンとなる国境は、ラムサ الرمثا とダラア درعا の間にあります。アンマン~ダマスカス間のハイウェイが通るジャーベルجابر~ナスィーブ نصيب 国境 とは異なります。ラムサとダラアにはそれぞれヨルダン、シリア国内数カ所からバスやセルビスが出ているので、それらでアプローチすることになります。
交通ルートは下の図を参考にしてください(禁無断転載)
アーディで行こう-アンマン ダマスカス ルート図
過去2回は、この図の下側、ジャーベルとナスィーブの間にある国境を越えてアンマンとダマスカスをダイレクトに結んでいるバスとセルビスを紹介しました。
今回は、上側、ラムサとダラアの間にある国境を越えるルートです。

アンマン عمان ~ラムサ الرمثا
アンマンのムジャンマ・シャマーリー(北バスターミナル)からマイクロバスとセルビスが出ています。マイクロバスはラムサ発午前早く、アンマン発夕方ぐらいしか走っておらず、ほとんどの人がセルビスを利用します。乗用車タイプなので、4人集まれば発車となり、待ち時間は短いです。運賃は1.65JD、所要時間は1時間15分~30分です。
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アンマンのムジャンマ・シャマーリー 一番南側のホーム列 最も手前の白いセルビス群がラムサ行き。

アーディで行こう
アンマン~ラムサのバスの側面に書かれた行き先表示。このバスは非常に少ないので、乗れたらラッキー。一般的にはこの区間はセルビス利用です。

セルビスを使った場合、ラムサでの着地はムジャンマ(バスターミナル)ではなく、下の写真に示す、角にガソリンスタンドがある町外れの交差点がほとんど。その通りに白やベージュの国境越えダラア行きセルビスが客待ちしています。前方の道路上にかぶさるひさしは警察施設で、そのためこの交差点はドワール・ショルタدوار الشرطة (警察サークル)と言われています。逆ルートでのアンマン行きセルビスもこの辺の通りで捕まえられます。
アーディで行こう-ラムサのセルビス乗り場
ラムサのドワール・ショルタ。アンマンからのセルビスだと、たいていここに連れてこられる。右側でダラアまでのセルビスが客待ちしている。前方奥が国境への道。


イルビッド اربد ~ラムサ الرمثا
ヨルダン北部にある拠点都市イルビッドとラムサの間にも、マイクロバスが頻発しており、ジェラシュやウンムカイスなどヨルダン北部に点在する遺跡を見た後、シリアに抜ける時に便利です。マイクロバスはイルビッドの、アンマン行きバスが出るムジャンマ・アンマン مجمع عمان から発車します。ラムサまで0.3JD、30分ほどでラムサのムジャンマに到着します。ムジャンマの中にダラア行きセルビスの事務所があります。朝のアンマン行きバス1.1JDはこのムジャンマから出ます。
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ラムサのムジャンマのようす。

ラムサ~ダラア国境セルビス سرفيس بين الرمثا ودرعا
ラムサとダラアの間には写真のセルビスが頻発しています。運転手によると、朝早くからだいたい夜8時くらいまではけっこう走っており、そのあと夜10時くらいまでぼちぼち走るということでした。
発着場はラムサではムジャンマ内のセルビス事務所と、ドワール・ショルタ周辺の2カ所。ダラアではダマスカスやボスラ行きバスが発着するカラージュ・シャームです。ただし、注意したいのは、このセルビスはシリアの車とヨルダンの車があるのですが、ヨルダン車の場合カラージュ・シャームまで行かず、入国審査場から1.5キロほどのガディーム・ダラア(ダラア旧市街)で打ち切りとなってしまうことです。ガディーム・ダラアは丘の上にあり、ダラアの新市街まで沢を越えて2キロ、新市街の東側はずれにあるカラージュ・シャームまでだと3.5キロもありますので、乗車する際はカラージュ・シャームまで行ってほしい旨、念押しした方がいいでしょう。セルビス乗継ぎで行けないことはないですが。
ちなみに、シリア車は白地に赤文字の営業ナンバープレート、ヨルダン車は白地に黒文字(一部分緑)の営業ナンバーです。

セルビスは1台10JD(シリアから600SP)で定員4人です。が、ラムサからは2人分5JD集まれば発車してくれます(1人で2人分払ってもよい) ダラアからは1人分150SPだけでも発車することがあるそうです。 国境がすいていれば、ラムサからダラアまで1時間弱で済んでしまいます。
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ラムサのムジャンマに並ぶダラア行きセルビス。人が立っているところが事務所。

ヨルダン側出入国審査
ヨルダン側出入国審査場は、ラムサのドワール・ショルタから2.5キロ。出国審査場と入国審査場の建物が向かい合っています。出国審査の場合は写真の建物のなかに入り,ホールの一番左手の窓口で出国税5JDを払ってペトラ遺跡の写真がついた印紙をもらい、一番右手の窓口に出します。
入国審査の場合は、そのままパスポートを窓口に出すだけです。
ここの国境はたいていすいているので、係員が席を外していることが多いことを除けば、あっさり通過できます。
アーディで行こう-ヨルダン側出国審査場
ヨルダンの出国審査場

シリア側出入国審査
国境線で出国税と出国スタンプのチェックを受けた後,シリア入国審査場に着きます。外国人窓口はホール内カウンターの一番左手にあります。ビザがない場合は、その旨係員に告げて、2週間観光ビザか3日間トランジットビザを選択し、別の建物にある銀行へ向かいます。メモをもたされて一旦建物外に出ると、右側に下の写真のゲートが見えます。このゲート手前右側にEXchangeと看板が出ている建物内に銀行があります。カウンターでビザ代を払い、再度もとの審査場に戻って、係員に領収書とおつりを渡します。たいていは、この間にビザを貼ってスタンプを押してくれています。
この国境では、2週間有効の観光ビザが20ドルと、ほかの国境よりちょっとだけ安いです。トランジットは他と同じ8ドルです。

出国の場合は、先に出国税を払い、レシートを審査窓口に出します。出国税は500SP。数年前までは陸路国境の出国税は200SPで、しかも有名無実化していたのですが、2008年夏より値上げしてきちんと徴収するようになりました。

アーディで行こう-シリア側入国ゲート
シリア側の入国ゲート。中東でもっとも親切なシリアへようこそ。現大統領と前大統領、アサドっち親子がお出迎えです。

ダラア درعا ~ダマスカスدمشق
ダラアのカラージュ・シャームからは、ダマスカスのムジャンマ・ソーマリーエ行き大型バスが朝5時半から夜の11時まで15分~30分毎に、定時に発車しています。バスの車両も新しく、なによりも時間がくれば満席でなくても発車してくれるのですから、ヨルダンと比べてびっくりするほど便利で快適です。運賃は80SP。所要1時間30分です。
ソーマリーエからダラア行きに乗る場合、あまりにも頻発しているのでチケットは窓口ではなく、バスに乗る際に払います。写真がちょうどダラア行き出発のシーンです。
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ダラア درعا ~ボスラبصرى
ダラアのカラージュ・シャームには、ボスラ行きセルビスもいます。シリアのセルビスは、写真のようなワゴン車です。ボスラまで運賃は20SP。所要40分程度。定員になりしだい発車しますが、車内は5列15人乗りますので、かなり狭いです。わりとひっきりなしに走っていますが、終車は早く、だいたい夕方5時から6時くらいには終わってしまいます。
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どうでしたか? 乗継ぎは多いけど、こっちで行くとアンマン~ダマスカスでも直行バスやセルビスより安くすみますよ。まっすぐ抜けた場合の運賃合計は、以下の通りです。

 アンマン~ラムサ セルビス  1.65JD
 ラムサ~ダラア  セルビス  2.5JD
 ダラア~ダマスカス バス   80SP

80SPは約1.3JDですから、なんと合計5.45JD。1人旅で、国境セルビスをすぐに出してもらってもプラス2.5JDで8JD弱です。所要時間も、だいたい4時間ってところで、アンマン~ダマスカスを直行バスで行くよりは速いです。この値段で好きな時間にびゅっと移動できるのですから、いうことなしですね。