アンマン〜ダマスカス間の移動 セルビス | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

ダマスカスへはセルビスが頻発
シリアの首都ダマスカスとアンマンとの間は、地元の人や旅行者など非常に多くの人が行き交っています。バスもありますが、ほとんどの人が利用しているのが、セルビスという乗合タクシーです。

乗り場はアブダリالعبدليにある
セルビスは白や黄色に塗られた写真のような小型乗用車を使い、乗客が定員4人集まれば出発となります。アンマンでは2007年夏までバスターミナルがあった、アブダリの広場の周辺にこのセルビス事務所があって、ダマスカスに行きたい人は、適当にどこかの事務所に入れば手続きをしてくれます。事務所の位置は、地図の乗用車の記号を参考にしてください。たいてい、おじさんが「シャーム、シャーム、シャーム」とシリアの古名にしてダマスカスの別名を連呼しているか、写真のようなセルビスが停まってそれらしい雰囲気ですので、判別できると思います。2006年くらいだと、広場の西側の事務所は運賃が高く(当時8JD)、東側の事務所は運賃が低い(6JD)といった違いがあったのですが、現在はそこまで研究していないのでよくわかりません。2009年6月の時点で、10JDというところが多かったです。

所要時間
ただ、事務所が分散しているため、自分が入った事務所に他の乗客がうまく集まるかどうかは、神のみぞ知るところ。早く出発できるかどうかは、運次第ということです。走り出せば、ヨルダン側出国審査場まで1時間、シリア側入国後からダマスカスまで1時間。出入国審査は順調にいって1時間といったところです。国境は24時間開いていまして、夕方以降もセルビスはかなり走っています。ただ、ヨルダン発シリア入国方向の国境は、午後~夕方が一番混み合います。

ヨルダン出国
ヨルダン側出国は、出国税のスタンプを買うところが審査ホールの手前の別ホールということと、出国審査待ちの行列がやたら行儀が悪いということを除けば、難しいことはありません。この行儀の悪さはエジプトの駅での切符売り場並みです。割り込みあたりまえ、後ろから来てどさっとツアーやバス客のパスポートを置いて行くなんてのもあります。あるときなんぞ、VIP窓口の列に並んでいたヨルダン人が、それに気づいたものの、隣の連れに「いやー、ジョルダンファーストだから」とほざいていました。ちなみに、「ジョルダンファースト(アラビア語ではアルウルドン アウワル」は、2005年秋に起きたホテル同時爆破テロ以降、ヨルダン政府が進めた一種の愛国キャンペーンの標語です。VIP列に並ぶのは別に公衆道徳上それほど問題ないんですが、それは意味が違うだろ。

シリア入国
シリアの入国時には、青色の入国カードを書いて外国人窓口に出します。まわりにカードが見当たらなければ、窓口に割り込んで係員からもらいましょう。ビザを持っていなくても、その場で取れます。アンマン~ダマスカス間のセルビスが通る方の国境は、2週間有効観光ビザが24ドル、3日間有効トランジットビザが8ドルです。審査窓口の係員の指示に従って、すぐ近くにあるシリア銀行カウンターでビザ代を払い、レシートと釣り銭を係員に渡します。係員がパスポートに印紙を貼って入国スタンプを押して終わりです。現在はダマスカスへの照会なしに手続きが済みますので、かかる時間は窓口の混み具合しだいで、他にだれもいなければ10分くらいしかかかりません(この国境では、すいていても数人は外国人が常に手続きしていますが)

アーディで行こう-セルビス
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ダマスカスの出発地はカラージュ・ソーマリーエكراج سومرية
写真は2枚ともダマスカスのカラージュ・ソーマリーエで撮影しています。上の写真が2008年5月、下が2009年6月です。1年で車の車種がちょっと大型化した印象です。2007年秋に、ダマスカスのカラージュ・バラムケが閉鎖され、ベイルート道路をかなり進んだ町外れのこのガラージュがダマスカス側の出発点となっています。こちらは全ての乗客が1台に集約されますので、出発までの待ち時間はわりと短いです。ダマスカスからの運賃は700SPか800SP、国境までの間に必ずドライブインで休憩しますので、その時に直接運転手に支払います。
アンマン発ダマスカス行きでも、このソーマリーエまで行きますが、途中で降りた方が中心部へ行くのに近いため、多くの人がカダム駅近く(といっても道路2本違いの西側のハイウェイですが)で降りてタクシーやセルビスに乗り換えます。前方に見える山がカシオン山なので、そのまま先へ進む車に乗り換えましょう。タクシーだと中心部まで100SP程度、セルビスならかつてのカラージュ・バラムケのあった辺りで降ろされて、そこから歩くか、また別のセルビスに乗換えとなります。

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アブダリ周辺図(禁無断転載) かつてバスターミナルだった広場(灰色部分)のまわりに、セルビス事務所が点在しています。ダウンタウンからは、ゴールドスーク横のバス乗り場から大型バス1番、10番、22番が、そのバス乗り場隣のセルビス乗り場から6番と7番(それしかいない)で簡単に行けます。
タクシーでもダウンタウンから0.5JD程度なので、ぼったくられないように注意しましょう。

ちなみに、アブダリの発音は「ア」にアクセントがあります。日本語のように平板に発音すると、
「ラ、ラ(違う違う)、ブダリ」と発音を直されるかも。

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