2015年版「日本食品標準成分表」が文部科学省から公表されました。
日本人の食生活の変化に合わせ。15年ぶりに収載食品を大幅に増やしました。
誰でも活用できるように内容がこれまでに比べ充実しています。
▼ベーグル、空揚げも
日本食品標準成分表は日常的に利用されている食品の栄養素の組成を知る絶好のテキストで、これまで10年版が最新でした。
15年版の作成にも拘わった渡辺智子・千葉県立保健医療大の教授(栄養学)によると、大きな特色は最近の食生活の変化に伴って食べる機会が増えたベーグルやキウイフルーツ、調理後の豚カツ空揚げ等新たな食品が大幅に増えたことです。
日本の伝統的食品を代表する刺身や天ぷら(サツマイモ、キス等)も新たに載り、小麦アレルギーへの注目から米粉パンや米粉麺も加わりました。
健康志向で注目される植物のエゴマの栄養素性も新たに加わっています。
▼調理で栄養変化
更に読み物としても面白いのです。
渡辺教授は特に第3章の資料編を読むことを勧めています。
例えば、調理によって栄養成分がどう変化するかがわかり、腎臓に障害がある人は摂取制限が必要となるカリウムの残存率を知ることで健康維持に役立つのです.
食に関する知識も豊富になります。水道水に含まれるミネラル量は地域毎に記載があり、このうち、「カルシウム量」は九州・沖縄が北海道・東北に比べ約6割多いのです。
マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸は10年版に比べて8~9割も減っています。
最近の我が国の健康志向の流れに合わせた編集構成のようです。
ヤレヤレ、これを読んだ家族が私に薀蓄を長時間に亘って講釈することでしょうな。