アラン・ド・ロン

2018/08/07 に公開

 

 

 

前年の11月に脳梗塞で左半身麻痺になった父。 母亡き後5年の二人暮らしの間、私が20年以上飲んで来ていた総合ビタミン剤などを飲むようにしていたが、栄養が偏っていたのだろうか。 

 

朝いつものように介護施設に送り出したが、様子がおかしく世話ができないと電話があり、迎えに行くとぐったりして乗せるのもたいへんな状態だった。 一旦帰宅後に近くの総合病院へ、結果即入院。:総合病院はすぐ近くですが地域の特定につながるのでこれ以上は伏せます。

 

 一ヶ月ほど経ち、一緒にリハビリルームから車椅子で病室に戻った時のこと、何と父は思いもかけないことを口にした。 「ダメだ!治らん!」と大きな声ではないがはっきりと、しかもそれを泣き顔で言ったのである。 

 

一瞬ののち真顔に戻ったが、父親のあんな泣き顔を見たのは初めてであった。

そしてそれと同時に、認知症の診断を受けていた父が意欲的にリハビリに取り組み続け、しかもそれに悲観悲嘆して言葉にして言うなどとは、ある意味それは嬉しかったが、反面それはよりつらい現実を物語っていて言葉を失った。(一つには人は意識する存在だが、不幸な身の上を意識して絶望することなどには何の意味も価値もない)

 しかし、その後は真顔に戻った父と何気ない話をして気に留めないようにした。 

 

実の処いろいろあった父ではあるが、88歳にして人生で最大の絶望感を経験するとは、全く思ってもいなかったのだろう。 

 

 

・・

 

 

 6月になり、私は陰鬱な気分を少しでも晴らしたいと思うようになって来ていた。 近くにある国宝犬山城は数回行っていたが、昔から一度は行きたいと思っていた「大好きな郡上八幡城」へ行くことを急遽決意した。 

 

それまで何となく用意をしていただけだったが、6月初旬のある日、あまりの天気の良さに急にその気になった私は、いつものように父をデイサービスに送り出した後、きょう行って来よう、と決めて実行に移したのである。 

 

カーナビのお陰で簡単に行くことが出来たのだが、それでも2時間近く結構な距離をドライブした。

 

 

到着後、周辺と郡上八幡城のこじんまりとした、しかし見事な美しさをあちこち散策して楽しんだ後、早々に帰路につき無事に帰宅した。 

 

掲載の写真はすべて2004年購入のパナ製500万画素デジカメで撮影したものだが、もう一台のソニー製1620万画素にも負けない美しさも見事というほかない。 ところで、もう自分で遠乗りすることはないと思う。(;・∀・)? 

 

この日の日帰りドライブは、晴天、青空、新緑、風光明媚な名城周辺風景を満喫と、大満足の貴重な思い出になっているが、もう自分で運転しての長距離移動は卒業にしたい。・・ 

 

しかし、高齢者(と実は全く思っていない)になってまた、このような素晴らしいドライブ旅行を実現できたということ、この幸運には本当に感謝しかない。<(_ _)>

 

 

 

 最後に、日本の時に厳しくも穏やかで美しい自然、自然も歴史も文化も人も大切にする日本人の心が、いつまでも正しく継承されて行きますように。この思いはすべての日本人に共通する願いでもありますよね。♡