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快は節制の中で求めなければならない

快は努力をして得なければならない

快は自然に得られるものでなければならない

快は一時で過ぎ去る

快を捨てれば精神を成長させられる


依存症者は他の人よりも薬物を欲しがるけれども、他の人ほど薬物が好きではないように見える。


行動は苦痛に後押しされるだけでなく快楽に引っ張られる。



人間社会は、快楽を伴う活動を厳しく規制する。食事、sex、薬物、ギャンブルにだらしなく耽溺する事を【悪徳】とする概念を持ち合わせている。【美徳】とされるエクササイズ、ある種の瞑想や祈り、社会的な評価を受けること、慈善的な寄付行為さえも快楽回路を活性化しうる。

私たちが何かを快いと感じるとき、ほとんどすべての場合にない内側全脳ドーパミン回路に関係する報復の神経調節器が働いていると思われるからだ。

向精神薬に夢中になる性癖を持つのは人間に限らない。野生の動物も精神活性効果を持つ植物や細菌を習慣的に喜んで口にする。
地面に落ちた果実が自然に発酵しアルコール混じりなったものを、鳥、ゾウ、猿が熱心に探していたと言う報告がある。
アフリカ西部の赤道直下の国ガボンでは、猪、ゾウ、ヤマアラシ、ゴリラが夾竹桃のなかまで陶酔感をもたらし幻覚作用を持つイボガの木を食べる事が報告されている。

シベリアでトナカイの放牧をして暮らすチュクチ人は儀式の際に幻覚作用のある真っ赤なベニテングタケを食べるが、彼らが飼うトナカイも同じだ。トナカイは樺の木の下に生えている野生のベニテングタケを見つけると丸呑みし、方向感覚を失ってふらふらと歩き回り、頭をひくつかせながら数時間群れを離れてしまう。
ベニテングタケの薬効成分はイボテン酸で、体内に入るとその一部がムッシモールとい
化合物に変化する。これが実際に幻覚を生み出す成分だ。

もちろんチュクチ人もこの事実に気づいている。彼らはベニテングタケを食べたシャーマンの尿を溜めておく。
理由は二つある。一つは節約のためだ。
ベニテングタケは珍しいキノコなので、汚いという大きな欠点はあるものの、尿を再利用すれば、一度キノコを食べるだけで五回幻覚剤として使える。
もう一つの理由は、トナカイ集めだ。
トナカイは自分たちのイボテン酸入りの尿と同じ様に人間のイボテン酸入り尿にも引き寄せられるため、柵の中に少量これを撒いておくだけですぐに集まってくる。
いずれにせよ、シベリアのトナカイが薬混じりの尿を巡って争うのが、尿に栄養価があるからではないことだけは間違いない。

向精神薬の分類
興奮剤は基本的に気分に好影響を与えるが、ときに不安や焦燥を引き起こす。
コカイン、カート、アンフェタミン【アデラル、リタリンなど】

鎮静剤は気分を落ち着かせ、睡眠を導き、運動調節を阻害し、反応を遅くする。
アルコール、エーテル、バルビツール酸、ベンゾジアゼピン系安定剤【ハルシオン、ソラナックス、コンスタン、ロヒプノール、サイレース、アイバンなど】ヒドロキシ酪酸【GHB】

幻覚剤の大地の作用は近くの混乱だ。視覚や聴覚などの感覚を歪める。認知や気分にも複雑な変化をもたらす。【宇宙との合一】と言う不思議な感覚を伴うことも多い。
LSD、メスカリン、PCピー、ケタミン、アヤワスカなど

麻酔剤は鎮静剤でもあるが、独特の強力な多幸感(および鎮痛作用)を生み出すことから独立した分野とされる。これからの作用は他の鎮静剤には見られず、化学的作用も異なる。
(植物由来のアヘン、モルヒネ、ヘロイン、合成麻薬のオキシコンチン、フェンタニルなど)

アルコールを大量に(命に関わるほど)飲用すると、必ず鎮静効果が生じる。
少量の飲酒は興奮作用をもたらす。

ニコチンも精神に対して複雑で微妙な作用を及ぼす。興奮と鎮静の軽い多幸感が混ざった様な作用。

エクスタシー(MDMA)は、興奮剤であると同時に弱い幻覚作用もあり、
それが他人との親近感を生み出す。

大麻は鎮静剤だが、軽い多幸感をもたらす(ニコチンより強いがヘロインには遠く及ばない)

向精神薬には、快楽回路を活性するものとしないものがある。

ドーパミン系の内側前脳快楽回路を強く活性化する向精神薬【ヘロイン、コカイン、アンフェタミンなど】は依存性のリスクが大きく
快楽回路をそれほど活性化しない薬物【アルコール、大麻など】依存性リスクが比較的小さい。
快楽回路を活性化しない薬物【LSD.メスカリン、ベンゾジアゼピン、抗鬱剤なSSRIなど】は依存性リスクがほとんど、あるいは全くない。

タバコのように喫煙したり注射をしたりするほうが依存性が高い。

注射の依存性が高いのは、コカインがすぐに脳の標的ニューロンに到達して影響を及ぼすからで、鼻から吸引する場合は快楽はもっとゆっくり高まる。

アヘンの場合も煙にして吸うほうが効果が強く、依存症にもなりやすい。

ヘロイン注射依存率約35%
コカイン喫煙、注射依存率約22%
大麻約8%☘アルコール約4%🍺
タバコ80%🚬

典型的なヘロイン依存症者は1日2回、強烈で迅速な多幸感を軽減するが、1日1箱吸うスモーカーは、迅速で弱い反応を1日200回経験する。

ヘロイン注射【大きな快楽が一度高まる】
タバコ喫煙者【小さな快楽が何度も高まる】

犬の訓練で例えるなら、犬を1日に一回呼び
言う通りにやって来たら5キロのステーキを与える。すると犬はそのうち、呼ばれたらやってくることを学習する。しかしそれよりも、犬を1日20回呼び、やってくるたびに肉をひときれずつ与える方が、はるかに早く学習する。