「売り方の一時退散」――。27日の東京市場は、後場に「政府が円高対策を発表する」と伝わり、日経平均株価は急速に切り返した。一時は9000円を回復。結局27日の夕方に発表された菅直人首相の声明は、「31日に経済対策の基本方針を発表するので注意して下さい」と注意を喚起したようなものに終わった。日銀に追加金融緩和を要請したような発言もあったとはいえ、こうした対応では、今の円高の流れを大きく変えることはできないのではないか。なぜなら、いまは円高というよりはドル、ユーロ安だからだ。東証1部の出来高、売買代金を見ても、なお低調だ。これでは下落の最終局面とはいえない。
それでも短期反発はあるのだろうか。カギは日本を含めた先進国の金融当局が握っている。27~28日、米国のワイオミング州では経済シンポジウムが開かれ、バーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長が講演する。この内容に注目が集まる。追加金融緩和を示唆する内容なら、放っておけば30日からの相場では円高圧力がかかる。
このシンポには日銀の白川方明総裁やECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁も参加しているが、白川総裁は帰国後はどう動くか。9月6~7日には定例の金融政策決定会合があるが、その前に政府と同時に動くのか。一連の流れの中で、日米欧当局の政策協調のようなものが見えるかが当面の大きな焦点だ。
会員制の株式ウイークリー誌の最新号では、為替に左右されにくいというだけでなく、円高を味方にする銘柄などを厳選、6銘柄を選んでいる。また9月発売予定の『会社四季報』秋号の最新情報(途中経過)も、一部お届けしている。直近号では「ツイッター」のデジタルガレージ(4819)がしっかり上昇中。また5月24日号でとりあげたスカイマーク(注目時363円)は27日に595円をつけ、上昇率は約64%となった。これからも、残暑を吹き飛ばすような爆騰銘柄をしっかり出してきたい。