ハーバード白熱教室@東京大学の前編が放送された
- これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学/マイケル・サンデル
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今日の後半は「イチローの年俸は高すぎる?」
イチロー、オバマ大統領、日本人の教師、3者の年俸を比較しながら、富の分配の公正について議論をしていく。果たして、イチローはオバマ大統領の42倍もの年俸に値するのだろうか。さらには東大への入学資格をお金で買うことの是非についても考える
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このブログでは今日紹介するのは、一番最初の白熱講義である。
その前半は本で言うと
「第二章 最大幸福原理ーーー功利主義」
の部分である。
1884年の夏、嵐の中で沈没した中で生き残ったイギリス人の船乗り4人がいた。
ひとりは雑用係のパーカー、孤児で17歳だった。
パーカーは他の物の忠告にもかかわらず海水を飲み体調を崩し、死にかけているようにみえた。
19日目を迎えたとき、パーカーは殺害された。
24日目に救助された。
裁判にかけられたが、やむにやまれずそうしたと証言した。
あなたが裁判官だとしよう!
あなたはどう裁くのか?
この時の判断基準になるひとつの考え方がジュレミー・ベンサムの功利主義である。
ジュレミーベンサムのこの問題の立場は明確である。
ベンサムは自然権という概念を「大言壮語の戯言」だおして、一笑に付している。
現在でもベンサムの哲学は、政策決定者、経済学者、経営者、MBA、さらに普通の市民の心も今日でもしっかりと掴み判断基準になっている。
中心概念は完結で、直感でわかる。
それは、道徳の至高の原理は幸福で、
すなわち「苦痛に対する快楽の割合を最大化する」ということである。
「効用」という言葉で、ベンサムは快楽や幸福や幸福を生むすべての物、苦痛や苦難を防ぐすべてのものをあわらしている。
誰もが、快楽を好み、苦痛を嫌う。
功利主義は、この事実を認めて、それを道徳生活と政治生活の基本に据える。
効用の最大化は個人だけでなくて立法者の原理でもある。
どんな法律や制作を制定するか決めるにあたり、政府は共同体全体の幸福を最大化にするために、あらゆる手段をとるべきである。
コミュニティとは、ベンサムによれば、それを構成する個人の想話から成る「架空の集団」だという。
市民や立法者はしたがって、自らにこう問うべきである。
「この政策の利益の全てを足しあわせて、すべてのコストを引いたときにこの政策は他の政策より多くの幸福を生むだろうか?」と。
幸福を最大化するべきだという原理を支持するベンサムの議論は、実に豪快である。
ベンサムは、効用の原理は道徳の科学を提供するものであり、この科学は政治改革の基板となとしようとした。
最近菅直人首相が言っていた最小不幸の社会はこれを言い換えているように感じるが、実際は何を意図し、どうしようとしているのだろうか?
もちろん、功利主義に反論はある。
多くの人が指摘するように、個人の権利を尊重しないことである。
満足の想話だけを主張するために、個人を踏みつけにしてしまう場合がある。
反論の二番目は
功利主義は、道徳の科学を提供すると主張する。
しかし、その土台と成るのは、幸福を計測し、合計し、計算することだという。
この科学が人の好みを計測するときに、それを評価することはない。
ベンサムの効用という概念はこうしたひとつの共通通貨を提供するものである。
しかし、これは可能であるかどうか疑わしいとされている。
具体的には、MBAで学び企業でよく行われている、費用便益分析を道徳に持ち込もうとしているのである。
つまり、あらゆるコストと利益を貨幣価値に換算して、それらを比較することによって、複雑な社会的選択に合理性と厳密さを持ち込もうとするものである。
この講義から我々は何を学び、どのように行動できるだろうか?
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