翌日、
祖母はゆっくりと
目を覚ました。


『おばあちゃん、
大丈夫?
気分は悪くない?』


『心配かけて
ごめんね、皆来て
くれたんやね
ありがとう』


祖母はいつも通り
優しかった。


母と私と祖母。
3人で昼食をすませ、
母は家の用事を
するために
いったん自宅へ
戻った。


病院に残った私は
祖母と話しをした。


仕事の話し。
友達とのこと。

そして来年
結婚を約束した
恋人の話しなど。


『咲愛は楽しそうやね。
私も若い頃は
毎日がキラキラと
輝いてて楽しかった…』


祖母は何かを思い出して
話しをしているような、
そんな表情だった。


『ねぇ。
おばあちゃんの
若い頃の楽しさって
どんなのやった?』


『そうだねぇ…。
今みたいにカラオケや
ショッピング街なんて
ほとんどなかったけど、
ただ…1つだけ…
私の最高に幸せだった
話しを聞いてくれる?』


『うんっ!聞きたい』


祖母は少し頬を
赤くして目をつむり、
ゆっくりと話してくれた。
2009年
8月11日


その日、
私の携帯に母から
『おばあちゃんが
危篤だから病院まで
急いで来るように』
と電話があった。


私は急いで
病院へ向かった。


72歳の祖母。

私が病院に着いた
頃には緊急処置が
終わっていて
祖母は静かに
ベットの上で横に
なっていた。


祖母の細くて白い
腕には点滴が
繋がっていて
酸素マスクを
つけていた。


一命を取り留めた
祖母だったが
またいつ急変するか
わからない状況で
今夜は私も母と
一緒に病院に
泊まることにした。
2010年
12月26日


この日、
私の大好きな祖母が
亡くなりました。


祖母が亡くなる前に
話してくれた
素敵な恋の話しを
ここでしていきたいと
思います。





おばあちゃん、
彼には逢えましたか?

どうかいつまでも
2人でお幸せに…。